こんにちは、管理栄養士の青山です。
『食育健康サミット2019』に参加してきました。
今回のテーマは、
人生100年時代の健康と栄養を考える
ーフレイル予防対策における日本型食生活の役割ー でした。
来年度から75歳以上の後期高齢者を対象にフレイル健診がはじまります。
メディアではメタボや糖質制限が話題となっていますが、健康寿命を伸ばすためには、どこかでフレイル対策に切り替えていく必要があります。
減量や低カロリー、糖質制限ではなく、高齢者の場合はご飯を主食とした日本型の食事を大事にしていく必要があるのではないでしょうか。
研修の内容を簡単にご紹介します。
◯フレイル予防につながる3つの柱『栄養(食と口腔)、運動、社会参加』
食べ物の種類も大切ですが、食事をとるためには口の中の環境を整えることも大切です。
歯科の先生や歯科衛生士さんの関わりも重要になってきます。また、運動をするだけよりも人との関わりや役割などもフレイル予防には重要で、社会参加できる場を作っていくことも大切です。
◯糖質摂取のあり方
メディアでは糖質制限の利点についての情報が溢れ、実践している方も多いと思いますが、最近出てきている研究結果では、糖質のエネルギー比率が50〜55%で死亡リスクが一番低くなるそうです。
糖質を制限しすぎるのもいかがなものでしょう。
また、継続して糖質制限を行う場合には、高齢者は特に腎機能に注意が必要です。
◯ごはんを主食とした日本型食生活
ごはんは和食だけでなく洋食、中華など様々な料理に合う食品で、おかずと一緒にたべるため、様々な栄養素を一緒に取り入れることができます。
また主食(ご飯、パン、麺類)・主菜(肉・魚・卵・大豆製品)・副菜(野菜・きのこ・海藻類)をバランス良く組み合わせると、糖質のエネルギー比率は55%前後となり、死亡のリスクが低くなる糖質エネルギー比率になります。
特別な疾患がある、短期的な減量は必要という方以外は、日本型の食事を大きく変える必要はないのではないでしょうか。
◯栄養と運動
栄養と運動は健康を維持するための両輪です。
病院に入院している1日で自然に(加齢とともに)減る1年分の筋肉が減ってしまいます。
フレイル予防、健康寿命の増進のためにも適切な食事と効率の良い運動が必要です。
フレイル健診の開始に伴い、もっとフレイルに興味をもってくれる方が増えていくでしょう。
今後、リハビリと一緒にフレイルについての情報提供も行っていく予定です。
よろしくお願いします。
管理栄養士
青山 祐子