05_訪問看護

2020.11.09

月刊*ファミクリWOCかわら版_vol.1

 
 はじめまして、2020年10月から医療法人社団 双愛会 ファミリークリニック( 蒲田 品川 多摩川)に入社しました、皮膚・排泄ケア認定看護師の 野口祥子 と申します。

 皮膚・排泄ケア認定看護師とは通称WOC(ウォック)と言います。その意味は、W→Wound(ウンド)創傷、O→Ostmy(オストミー)ストーマ、C→continennce(コンチネンス)失禁です。

 ですから、褥瘡をはじめ、スキン−テアなどの創傷、がんの自壊創、糖尿病性足潰瘍、瘻孔、ストーマ(人工肛門、人工膀胱)からの排泄物の漏れ、ストーマ周囲の皮膚障害、ストーマ装具の検討、下痢・便秘における排便コントロール、おむつかぶれ等の困りごとをご相談いただければ、利用者様やご家族の暮らしを第一に考慮したケア方法を一緒に検討し、改善を目指して活動します。

まずはお気軽にファミクリWOC相談フォームからお問い合わせをいただければ幸いです。

どうぞよろしくおねがいいたします。

医療法人社団 双愛会
ファミリークリニック蒲田・品川・多摩川
野口祥子(のぐちやすこ)

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2020.03.11

『在宅でのフィジカルアセスメント』研修報告

こんにちは看護師の木本です。
先日、『在宅でのフィジカルアセスメント』をテーマに東京都ナースプラザの研修に参加してきました。

 フィジカルアセスメントとは、「急変を予測し見極めて、早期治療に繋げること」です。とくに在宅では、訪問看護師の適切なフィジカルアセスメントによって、『入院を回避する』ということが非常に重要になってきます。

 私たち看護師は訪問すると必ず、体温・血圧・脈・酸素を測定し、肺やお腹を聴診します。足を触ったり、皮膚状態を観察したり、患者様やご家族から最近のご様子を確認します。五感をフル活用して様々な情報を収集し、健康状態を把握しなければなりません。しかし、正しい方法や知識がなければ、適切な判断ができずに、重症や急変のサインを見逃すことにもなりかねません。

 今回の研修では、呼吸器系と消化器系に焦点を当てて、演習やグループワークを通してより理解を深めることができました。とくにグループワークでは、文章の中から患者様の健康状態を予測しどんな対応をするか、といった非常に実践的な内容で、実際に自分が訪問している患者様のことを想像しながら考察することができました。

 患者様やご家族が自宅で不安なく生活できるように、一番身近な医療者である看護師として、正しい方法と知識を用いて今後も訪問看護を行っていきたいと思います。

看護師 木本

 

2020.02.27

『在宅でのフィジカルアセスメント』東京都ナースプラザ研修

 こんにちは、看護師の町田です。
『在宅でのフィジカルアセスメント』の研修を受けてきましたのでご紹介いたします。

 フィジカルアセスメントとは問診で主観的情報を明らかにして、視診、聴診、触診、打診、嗅診で客観的情報を得た後、それらを医学的知識をもとに分析・解釈し、総合的判断を行うことを示します。

 在宅療養者の特徴としては、複数の疾患を併せ持ち、それに伴う苦痛症状を持っているにも関わらず、病院受診が困難なことが挙げられます。そして、安心して苦痛なく家で暮らしたいという思いを持っている方が大多数です。

 一方、在宅療養の環境としては、病院と異なり医師が常駐していないことや、必要な検査をすぐに受けることが出来ないといった特徴があります。

 ここで重要になってくるのが、私達のような訪問看護師の存在です。在宅療養者にとって一番身近な医療者が訪問看護師ではないでしょうか。

 今回の研修では
・フィジカルアセスメントとは何か?
・どのような視点を持つことが大切なのか?
・どのようなことに注意が必要なのか?
・どのような思考過程で情報を整理したらよいのか?
を改めて考えることが出来ました。

 また演習においては、シュミレーターを使用して異常な呼吸音の聞き分けを行ったり、参加同士でお互いに聴診や打診を行うことでより実践に近い状況での演習を行うことが出来ました。

 最も身近な医療者が的確なフィジカルアセスメントを行うことで、状態変化をいち早くキャッチすることや、急変を予測して早期発見・対応することが可能となり、その結果、入院の可能性を減らして在宅療養を継続できることで、QOLの向上に繋がると感じました。

 まずは当院で介入している患者さんのQOLを向上すべく、日々の訪問において常に意識して行こうと思います。

看護師 町田

2020.02.07

『がん患者の看護ー疼痛管理を主としてー』東京都ナースプラザ研修に参加しました

こんにちは、看護師の木本です。

先日、『がん患者の看護ー疼痛管理を主としてー』をテーマに東京都ナースプラザの研修に参加してきました。

がんによる疼痛は、人それぞれ痛みの部位や程度も異なります。
医療者として、患者様の感じる疼痛を適切に捉え、必要なときに正しい疼痛管理ができるように支援することが大切だと学びました。

患者様によっては、「ご家族や周りの人達に心配をかけたくないから、痛みを我慢する」「薬を使うことで慣れてしまうのが嫌だから、できるだけ薬は使いたくない」と仰る方がいます。

しかし、
・痛みは長時間続くことで身体に記憶されてしまう
・繰り返し痛みが加わることで、次第に痛みの感じ方が強くなる
・痛みの悪循環が起こる

医療現場で使われる薬や麻薬には、依存性がないことが証明されています。
辛い痛みを我慢して、耐えられないときに痛み止めを使っても効果はありません。痛みのない状態ができる限り長く続くように、適切なタイミングで「予防的に使用すること」がとても大切です。

そして、薬を使うことでの痛みと副作用のバランスを、患者様と医療者が一緒に共有していくことが大切だと感じました。医療者として、薬物に対する正しい知識を身につけ、患者様の体験している痛みを理解・把握しながら訪問看護をしていきたいと思いました。

看護師 木本

2020.02.03

退院前カンファレンスについて

こんにちは、看護師の神林です。
本日は退院前カンファレンスについて記載します。

退院し在宅療養に当たり、一定の医療介入が必要な場合、当院では退院前カンファレンスの開催を病院に依頼しています。病院からの診療情報提供書で一定の状況は把握できますが、治療方針や療養上の注意点について、本人家族を含め、多職種と共有できるためチームとして支援の方向性が明確なるほか、在宅サービスの活用・調整がスムーズになります。また患者・家族の方とも面識ができ、医療・介護従事者の「顔の見える関係」の構築の一助になります。

厚生労働省も退院前カンファレンスを行うことを推奨しており、切れ目のない医療・介護を提供についての重要性を説いています。

【保険報酬にも重要性が表れており…。】
訪問看護基本療養費(Ⅰ):¥5,550(週3日まで;1日につき)〜¥6,550(週4日以降;1日につき)※1回訪問看護にかかる費用
退院時共同指導加算(退院前カンファレンスに出席し、在宅で継続する注意点に対し本人家族に指導することで発生する費用):¥8,000

1回訪問看護でお宅に訪問するよりも退院前カンファレンスに出席するほうが報酬が高く設定されています。

以下のような患者様は退院前カンファレンスを行ってほしいです。
・訪問看護・訪問診療が必要な患者様
・看取りの可能性のある患者様
・ADL・ASDLが低下し、療養環境の再構築が必要な患者様
・独居・老老介護など社会的な問題を抱えている患者様

実際の経験談として、退院前カンファレンスをしない時とする時では、その後の介入に影響がでると感じます。患者様に安心して在宅療養のお手伝いができるようカンファレンスの開催は今後も病院に依頼していきたいと思います。

看護師 神林

2020.01.24

『独居で在宅看取りの患者様』のデスカンファレンスを行いました

こんにちは、看護師の神林です。

先日大田区の某病院で『独居で在宅看取りの患者様(A氏)』のデスカンファレンスを行いました。
「デスカンファレンス」とは亡くなった患者様のケアを振り返り、今後のケアの質を高めることを目的としています。

担当の佐々木看護師と田川理学療法士が症例を振り返り発表を行いました。

今回の症例は御本人の思いを汲み取り静かな最期を迎えられた、ある意味で成功体験と言えます。
定期的に多職種カンファレンスを開き、本人の意向を確認しつつ、自宅で過ごす上での必要な要素を検討していきました。

〈検討項目〉
・療養を進める上で今後ADLが低下することを予測し、立位・歩行バランス能力の維持・向上
・自宅環境に合わせ予測的に福祉用具を導入
・痛みや呼吸困難が強くなってしまったタイミングでの疼痛コントロール

〈結果〉
・本人が楽しみにしていたお風呂に入ることを臨死期間際まで行うことができました。

また本人の在宅環境の好要因として大家さんの存在がとても大きく感じました。
当該患者様の家はいわゆる借家のアパートで大家さんが『最期までここで暮らして構わない』と快く受け入れて下さいました。
もし、大家さんが自宅で亡くなることを躊躇された場合、本人は動揺し「迷惑がかかるなら自宅で最期を」と決められなかったかもしれません。

今後日本は高齢多死社会を迎え、2040年には65才以上の独居は全体の24.5%:890万人に及ぶことが予測されています。
また同年は2015年と比べ36万人死亡者数が増加すると推計され、医療機関以外における死亡も増加する見込みで「自宅での最期を迎える」ニーズも必要性も高まることが考えられます。

患者様御本人が亡くなってしまうことは悲しいことですが、どんな要因が自宅で過ごせるポイントなのか、経験の積み重ねを今後も行っていきたいと思います。

看護師
神林 顕

2019.12.06

がん症例検討会に参加しました

こんにちは。作業療法士の吉田です。


11月27日(水)に大森赤十字病院で行われましたがん症例検討会にて病院を退院された後、訪問診療で担当させていただいている患者様の看護・リハビリテーション経過を発表させていただきました。

リハビリ場面を動画でご紹介することもでき、一生懸命リハビリに励まれている姿を主治医の先生や以前、担当されていた看護師さんにも見ていただくことができました。「患者様が頑張っている姿を見れて、私達も明日からのやる気につながりました。」と嬉しいお言葉をいただきました。

また、患者様の外来受診に合わせ、書面でリハビリ経過をお伝えしていましたが、このようなカンファレンスの場で、実際に主治医の先生とお会いして情報共有をさせていただけたことが訪問のスタッフとしては大変ありがたい時間となりました。

 今後の課題として、大森赤十字病院の看護師長様から、病院と訪問の現場では必要な情報が少し違う場合もあるので、お互いに必要な情報共有をしていきましょうというお話がありました。リハビリテーションの場面においても病院との連携を図る際にお互いに有意義な医療連携ができるよう心がけて行きたいと思います。

最後に、顔の見える医療連携が私達スタッフの安心につながり、結果的に患者様やその御家族のご安心につながっていくのだと改めて、今回のカンファレンスを通して感じました。このような機会を設けてくださいました大森赤十字病院の皆様ありがとうございます。

訪問リハビリテーションに興味のある方がいらっしゃいましたら
s.harada@twinheartmediccal.com
理学療法士 原田までご連絡ください

2019.12.05

研修報告 訪問看護管理者研修に参加してきました

11月に計4日間に渡り、東京都で行われた訪問看護ステーション管理者育成研修に参加しました。
前半2日間は、管理者としての基礎知識、後半2日間は、経営者としての知識を学習しました。

講義の中で、経営というものは①人②社会③経済の3つの柱が重要であると話がありました。

①人については、安心感。
管理者はスタッフ一人一人を大切に思い、信頼関係を築くこと。
先ずは、スタッフの安心感なくして、利用者様の安心感には繋がらない。
加えて、スタッフが、何を意識しながら働けばよいか示すこと、企業理念が重要となる。

②社会については、地域連携。
利用者様を取り巻く環境が、多方面から関わることで選択肢が広がり、必要とされるサービスの提供へ繋げることができる。

③経済については、無駄を省く。
スタッフそれぞれが、効率の良い訪問ルート調整、タイムマネジメント、備品管理などに対し意識的に取り組むこと。

上記のサイクルを円滑に進めることで、スタッフ、利用者様、地域にとってより良いものになり、健全な経営に繋がると述べていました。

その中でも、私は「人」の部分が最も重要と考えます。
スタッフの心が満たされていなければ、利用者様を支えることなどできないと思います。
特に重症の利用者様の看護となれば、心身共にスタッフに掛かる負担は相当なものになります。
だからこそ、スタッフ一人一人の心身の安定が重要なのだと考えます。
それが、確立して始めて会社の方針、理念というものが本当の意味で浸透させることになると思います。

日々の業務から、意識的に取り組み、会社全体でより良いサイクルとなるよう働きかけ、利用者様、そして地域へ貢献できるよう努めていきます。

ファミリークリニック蒲田 訪問看護ステーション
看護係長 小野 (主に品川区方面を担当しています)

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2019.12.02

大森赤十字病院との症例検討会を開催しました

こんにちは。
看護師の神林です。

11月27日に大森赤十字病院にて症例検討会を行いました。

ご本人の自宅で家族の顔を見ながら在宅療養を続けていきたいというご希望に対して、医師や看護師、理学療法士、作業療法士などでそれぞれができることを改めて整理していきました。

また、ご本人から「お子様の宿題をみる、TVで談笑する、散歩や映画に行く、といった在宅に戻ってからは当たり前にできていたことがひとつひとつやれていくことが嬉しい」とお話をいただいたことを関係者に共有いたしました。

このような振り返りによって、在宅から入院後の患者・家族の気持ちの変化や介入当時には気づかなかった「気づき」が露わになります。

在宅で起きた事象を事細かに申し送りができれば良いのですが、限られた情報(診療情報提供書・看護サマリー)の中で、どんな情報を残すべきか考えさせられる症例でした。

自分自身も病院勤務の際にそうでしたが、在宅医療の実情はまだまだ病院には伝わらない・イメージできないという印象が強いようです。
在宅の実情を少しでも知ってもらえるよう「看護師目線」で情報を発信できればと思います。

看護師
神林 顕

2019.11.29

在宅緩和ケアチームの疼痛緩和治療について

こんにちは、看護部の杉野です。
今回は在宅緩和ケアチームの主たる治療方法でもある「麻薬の投与」について説明します。

麻薬の投与経路には、経口投与(内服薬)、直腸内投与(坐薬)、経皮投与(貼付薬)、持続皮下注射、持続静脈注射などがあります。使用する薬物の種類と効能により最適な投与経路を選択します。

ここまでは教科書的な一般論なのですが、在宅緩和ケアチームではこれに加えて様々な判断を行っています。

例えば、
・服薬管理能力が低下した患者の痛みの管理をどうするか?
・薬の準備が難しい独居患者さんのレスキュー投与(痛みが強いときの頓服)をどうするか?

患者さんの療養状況に合わせて訪問医師、訪問看護師、時には介護支援専門員(ケアマネジャー)と協議しながら最適な痛みの緩和方法を選択します。

なかでも当法人の行う麻薬の持続注射に関しては、患者さんの「使いやすさ」にこだわって、バルーンインフューザーを第一選択としています。
麻薬管理の安全性にも配慮し、提携薬局の無菌調剤室で薬剤を充填したポンプを患者さんのご自宅に配達します。


*写真はデモ用製品です。

在宅緩和ケアチームで行う痛みの管理ついては、ファミリークリニック蒲田、ファミリークリニック品川それぞれの地域連携室にお問い合わせください。

看護部 杉野

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