~ストーマ管理のポイント~月刊*ファミクリWOCかわら版8月号_vol.10
WOC(ウォック)とは、褥瘡をはじめあらゆる創傷とストーマ、失禁分野について専門性の高い看護を実践できる看護師の通称です
2021年8月(Vol.10)
毎日暑い中、自転車での訪問お疲れさまです。暑さ対策として首に巻く保冷剤やミニ扇風機を愛用しております。おすすめですよ〜‼ 7月号からの続きでストーマについてお話します。
みなさんはストーマ装具をどのように選んでますか?
*ストーマ装具は一般的に「パウチ」と言われますが、正しくは「ストーマ装具」です。
現在数百種類を超えるストーマ装具がありますが、どのような基準で選ぶのでしょうか?
前号にありましたように、ストーマの状況や腹部の状況、患者さんの状況をもとに検討していきます。
*ストーマ装具は面板(めんいた)とストーマ袋で構成されています。
*面板は腹壁に直接貼り付けて、皮膚に排泄物が付着しないよう働きます。
貼り続けても負担が少ないように天然素材を使用した皮膚保護剤でできています。
ストーマ袋は排泄物を収集し、その重さによって排泄物を破棄するタイミングがわかるため、直腸や膀胱の働きを代償します。
STEP1.ストーマ装具には単品系装具(ワンピース)と二品系装具(ツーピース)があり、それぞれ特徴があります。使用している意味を捉え、患者さんの生活に合っているか見極めましょう。
例えば・・・Aさんは値段が高くても、袋だけ交換できる2ピースがいいんだな・・・
Bさんはシンプルケアの1ピースね!
という具合に患者さんの好みや個別性に合ったものが選択できていれば良いです。
生活用具給付金の枠内で収めるなどの場合はご相談ください。
【研修案内】
来たる!!
9/16(木)18:30〜20:00
保湿剤で有名なマルホ株式会社さんと皮膚の勉強会をリモートで行います!
「外用薬の基剤の分類、ドライスキンとスキンケア」(60分)
参加者の方にサンプルお届けします!
お申し込みは mail:y.noguchi@twinheartmedical.com又はこちらのQRコードからどうぞ
【お申し込み期日】9月9日(木)までにお願いします。
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医療法人社団 双愛会
ファミリークリニック蒲田・品川・多摩川
野口祥子(のぐちやすこ)
皮膚・排泄ケア認定看護師
mail:y.noguchi@twinheartmedical.com
~ストーマ管理のポイント~月刊*ファミクリWOCかわら版7月号_vol.9
2021年7月(Vol.9)
梅雨が明けると自転車で回る私達にはきびしい夏がやってきます。水分と塩分を補給しながらなんとか乗り越えましょう!今回はストーマについてお話します。
ストーマ管理は訪問看護の依頼理由の上位にあがってきます。ストーマ管理のポイントを押さえましょう。
ストーマ保有者にとっていちばん大切なことは、排泄物が漏れないこと!!
*ストーマを造設してからセルフケアを練習し自宅に戻りますが、病院で出来ていたことが自宅ではできなくなることが多々あります。そういった時こそ訪問看護師さんが環境を整えたり(ストーマグッズをかご等にひとまとめにすることやケア時の姿勢を安楽にすること)、本人のセルフケア能力を見極めて支援することが必要です。
*ストーマ装具からの予定外の排泄物の漏れは、ストーマ保有者のQOLの低下だけではなく、不安の増幅や自信喪失につながることになるため対応を急ぐ必要があります。
*訪問看護師さんは、ストーマの対応に慣れていることもあり、排泄物が漏れないように何とか対応されますが、十分ではないことがあります。経験知で「何となくこれがいいのではないか」というケアでは、根本的な解決に至っていないことがあるため、一緒に考えていけたら良いですね。
面板の種類や選定方法のコツは次回のかわら版で取り上げます。
かわら版で取り上げてほしい内容や日常的に困っている WOC分野のご相談もお待ちしております。
お電話の他、ファミクリWOC相談フォームからもお問い合わせいただけます。
医療法人社団 双愛会
ファミリークリニック蒲田・品川・多摩川
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皮膚・排泄ケア認定看護師
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【7月20日 勉強会のお知らせ】リハ医が考えるこれからの訪問リハ~地域リハの考え方~
在宅リハビリテーションセンター通信
2021年7月20日の勉強会のお知らせ
在宅リハビリテーションセンター副センター長の原田です。
介護報酬改定などで、
大きく介護保険の進み方と地域のリハビリのあり方が変わってきています。
また、医療が進歩することで
地域でのリハビリも以前より対応する患者さんが多様化してきていると思います。
そのような日々現場での悩み
・リハビリを相談する場所がない…
・医療とリハビリをうまくつなげることが出来ない…
・患者さんにリハビリとしての病状説明をして欲しいのにしてもらえない…
など日々の訪問で悩まれることが多いと思います。
その時にセラピストとしてどのように対応すればいいのか、
ケアマネジャーとしてどのように医療と介護をつないだらいいのか、
などを医師でリハビリテーション専門医の高橋がお話させていただきます。
地域にはリハビリが必要な方が多いのに、
地域にリハビリ専門医が少ない問題があります。
また、地域を専門にリハビリ診療を行っている事業所も少ないので
この機会に是非参加いただければと思います。
また、リハビリテーション医とは?
(リハビリテーション医はほとんどの方が大学病院など大きな病院に務めていて
関わることが少ないです)
どのような仕事、役割かを知ることができる機会となりますので、
ご参加いただければと思います。
【申込期日】7月19日(月)まで
申し込み方法
①こちらをクリックして ”ファミクリ勉強会申込フォーム” から申し込みいただけます
②下記のQRコードから申し込みいただけます
在宅リハビリテーションセンター それぞれの役割(医師、相談員、療法士)について
在宅リハビリテーションセンター副センター長の原田です。
在宅リハビリテーションセンターを設立し、1年と数ヶ月がたちました。
皆様のおかげでリハビリ診療のご依頼も増えてきております。
その際に、診療の流れを知りたいやその様なチームなのかと質問をいただことがあります。
質問にお答えするために在宅リハビリテーションセンター(以下、リハビリセンター)のそれぞれの役割についてお伝えいたします。
リハビリセンターのメンバー
リハビリテーション医、相談員、療法士の3名でリハビリセンターとなっております。
それぞれ役割分担があり、チームで診療にあたっております。
リハビリテーション医
高橋 洋(リハビリテーション専門医、指導医)
リハビリ診療を通し、病気、既往歴、生活背景を複合的に診療から病気の診断、障害診断、そして生活の質を上げるためにどのようなリハビリが必要かを判断します。
各職種からの視点や意見をまとめ診断いたします。
その診断の上でリハビリ指示、装具作成、障害者手帳の作成などを行います。
相談員
介護支援専門員の資格を持った相談員が介護+福祉の視点から医療と福祉(介護)の橋渡しを行っています。
診療調整やCMとの診療同席の有無や介護との情報共有を行い、診療と介護が連携できるように調整をいたします。
療法士
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が診療に同席し、生活上での動作を確認、環境設定、介助方法などを指導いたします。
訪問リハビリ担当の療法士やCMさんが診療同席出来なかった際は中継役とし、情報共有を行い、リハビリセンターと訪問リハビリ、ケアプランが同じ方向で進めるようにいたします。
それぞれの役割により、リハビリ医が意見をまとめリハビリ診療と訪問リハビリ、そして本人、ご家族の希望が同じ方向を向き、よりよいリハビリを受けることができるようにいたします。
診療の流れ
リハビリ希望がありましたらリハビリセンターがチームで診療に伺います。
診療では、それぞれの視点からリハビリに必要な情報を集め、リハビリ医が情報をまとめ、どのようなリハビリが必要かを診断いたします。
院外の主治医とも情報提供書で連携をとり、主治医の治療と同じ方向性でリハビリが進むように連携して行きます。
そのため、診療開始時に主治医の情報提供書を頂いております。
リハビリ診療例:
リハビリ診療+装具診療+身体障害者手帳作成を行っている場面です。
セラピストが立位動作確認を行い、その際の状況を伝え、リハビリテーション医が装具を作成するか身体障害者手帳に必要な情報を判断しているところです。
リハビリセンターではそれぞれの役割を大切にし、各事業所と連携し、患者さん、ご家族を支援し、在宅で「やりたいこと」を実現できるようにチームで取り組んで参ります。
現在理学療法士、作業療法士募集しております。概要はこちらをクリックしてください。
また見学も可能ですのでご連絡ください。
在宅リハビリテーションセンター
副センター長・理学療法士 原田
~WOC同行訪問~月刊*ファミクリWOCかわら版6月号_vol.8
WOC(ウォック)とは、褥瘡をはじめあらゆる創傷とストーマ、失禁分野について専門性の高い看護を実践できる看護師の通称です。
2021年6月(VOL.8)
緊急事態宣言の延長、コロナワクチン接種にまつわる話題、オリンピック開催における世論など落ち着かない日々ですが、こんな時だからこそお家でリラクゼーションできる時間を大切にしたいですね!
今回はWOC同行訪問についてお話します。
1.WOC同行訪問とは?
地域包括ケアシステムを推進する国の動きに連動し、患者のニーズを満たす専門性の高い訪問看護の提供のこと。
WOC単独での算定はできず、必ず訪問看護師と同行し、患者・家族へケアの実践・指導・相談を行うことで1ヶ月に1回のみ1285点(医療保険)算定できる制度。
2.対象患者
・褥瘡 ( 真皮に至るもの以上の深さであること )
・人工肛門・人工膀胱 ( 周囲に皮膚障害があるもの、傍ストーマヘルニア等の合併症があるもの )
*なかなか良くならない褥瘡や管理困難なストーマの方がいらっしゃいましたらご相談ください!!
3. 費用の負担について
専門性の高いWOCケアが患者の局所や全身の改善につながり、家族の介護負担が軽減する、訪問看護師のスキルアップになるというメリットは期待できるが、費用は全面患者負担(医療保険で1285点の算定)。
医療保険が公費負担の方や支払い限度額が上限に達している方などにご利用いただいています。
4.同行訪問でのWOCの役割
患者・家族には直接的なケアの実施と指導、訪問看護師からケアの相談を受け、支援・指導を行う
5. 同行訪問の依頼〜導入について
同行訪問を行ってほしい患者家族がおられましたら、ファミリークリニックへお問い合わせください。
その後は野口が以下の流れで介入します。
①指示書依頼のため、主治医とコンタクトを取ります。
②患者さんと契約を行います。
③訪問看護ステーション担当者様と同行訪問の日時を決定します。
④同行訪問を行ったあと、患者様へケア表を提示し、訪問看護師・ケアマネージャーへ報告書を送付します。
かわら版で取り上げてほしい内容や日常的に困っている WOC分野のご相談もお待ちしております。
お電話の他、ファミクリWOC相談フォームからもお問い合わせいただけます。
医療法人社団 双愛会
ファミリークリニック蒲田・品川・多摩川
野口祥子(のぐちやすこ)
皮膚・排泄ケア認定看護師
mail:y.noguchi@twinheartmedical.com
褥瘡の栄養管理
ファミリークリニック 管理栄養士青山です。
3月に在宅患者訪問褥瘡管理指導を開始しますとご案内して以降、何名かの患者様に対してカンファレンスや訪問指導を行いました。今回は、改めて褥瘡改善のための栄養管理についてご紹介します。
1.十分なエネルギーを補給する
褥瘡を治すためにはたくさんのエネルギーが必要になります。
褥瘡の大きさや深さなどにもよりますが、褥瘡があるというだけで通常の1.3〜1.5倍のエネルギー量が必要になります。大盛りご飯は食べられないという少食の方は栄養補助食品などが中心となってもエネルギーの高い物を選んで取り入れましょう。また、効率よくエネルギーを増やすためには油脂類も適度に取り入れていくことが大切です。
2.蛋白質の多い食品を積極的にとる
エネルギーが十分とれていたら、今度は傷を治していくために蛋白質が必要になります。食欲があれば肉や魚、卵や大豆製品など主菜を増やしていただくことが一番効果的です。量がとれない方や嚥下機能が低下している方は豆腐や卵豆腐、茶碗蒸し、プリンやゼリー、ヨーグルト等、蛋白質豊富で食べやすい食品がおすすめです。
3.ビタミンや微量元素も重要です
傷を治す、皮膚を作っていくためには、ビタミン類や鉄や亜鉛などの微量元素も重要です。エネルギーや蛋白質があってもこれらのビタミンや微量元素がないとうまく代謝がすすまず、傷の治りも遅くなってしまいます。野菜や果物、海藻類などをたくさん食べることが大切ですが、量がとれない方はヨーグルトなど鉄分強化されている商品を選んだり、ビタミン類が強化されている野菜ジュースなどを選ぶことで効率よく取り入れることができます。
栄養指導では、上記3点について、対象となる方の嚥下状態や食事量に合わせて必要な栄養を摂るための方法を提案させていただきます。また、必要に応じて医師に栄養剤の処方を提案したり、褥瘡改善に必要な栄養素がとれる栄養補助食品の紹介も行っています。
医療法人社団 双愛会
ファミリークリニック
在宅リハビリテーションセンター
管理栄養士 青山
~傍ストーマヘルニアについて~月刊*ファミクリWOCかわら版5月号_vol.7
とても気持ちの良い季節ですが緊急事態宣言の最中、外出も叶いませんね(><)
今回はお問い合わせがありました、傍ストーマヘルニアについてお話します。
1.傍ストーマヘルニアとは
ストーマ造設時に腸管を引き出すために腹壁に形成した孔から腹腔内の小腸や大網などが脱出し、ストーマ周囲皮膚が膨隆する状態です。術後の体重増加など腹直筋の緩みなどが原因で、晩期合併症のなかでも最も頻度の高いものです。臥床時は平たんな腹壁も坐位や腹圧をかけるとストーマ周囲が膨隆します。ストーマ側の腹壁のみ膨隆するため、左右非対称の腹壁となるのが特徴です。
坐位ではストーマサイズ40×40×30ですが、臥位では30×30×15と変化します
このような腹壁やストーマサイズの変化に対応するにはどのようなケアが必要でしょうか?
2.傍ストーマヘルニアのケア
*最大径(坐位時等)のストーマサイズに合わせたストーマ孔を選択し、腹壁に追従する装具を使用する
*ストーマベルトやヘルニア用ベルト(必ず臥位で装着)を使用し腹壁に追従させる
利用者さんには、なるべく腹圧のかからない生活を指導します
使用している面板に切り込みを入れて腹壁に追従しやすいようにします
また、傍ストーマヘルニアで面板に便の潜り込みがある方は、坐位時の面板貼付が効果的です!
去る4/16に「在宅における褥瘡管理~訪問看護師と伴走するWOC同行訪問の実際~を無事開催することができ、皆様に感謝申し上げます。
当日は70名以上の参加があり、約半数の方よりアンケートの回答をいただきました。
質問はWOC同行訪問の依頼方法、料金、連携方法について、WOC領域のケアで困っていることについては、頚髄損傷患者の車いす上の除圧について、除圧の難しい方の体圧分散について、サイズの大きいストーマケアについて、左下肢のリンパ浮腫のケアについてあり、メールで返信させていただいています。
まだまだ未熟ですが、地域の皆様の力になりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします!
かわら版で取り上げてほしい記事の提案や日常的に困っている皮膚・排泄ケア分野のご相談をお気軽にどうぞ!
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ファミリークリニック蒲田・品川・多摩川
野口祥子(のぐちやすこ)
皮膚・排泄ケア認定看護師
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糖尿病性腎症重症化予防プログラム
ファミリークリニック 管理栄養士の青山です。
糖尿病食の食事療法については以前のブログでご紹介しましたが、今回は糖尿病性腎症についてのお話です。
糖尿病性腎症とは、糖尿病の合併症の一つです。
腎臓の機能の状態により5段階に分類され、それぞれの状態に合わせて食事療法も変わっていきます。1日〇〇kcalという同じ食事を続けるのではなく、その時々の状態に合わせて食事を変えていかなければいけません。
糖尿病性腎症の食事療法について、簡単に紹介します。
【 糖尿病性腎症の食事療法 】
1.まずは血糖管理が基本。
糖尿病の食事療法の基本的な部分は変わらず注意が必要です。主食・主菜・副菜を揃えてたべたり、間食をしない、規則正しく食事をとることは継続していく必要があります。
2.腎機能に応じて塩分や蛋白質、カリウムなどの制限を行う。
①塩分制限が必要になった場合
塩分は1日6g未満が目標で、汁物や麺類、加工食品などを控える必要がでてきます。
②蛋白質制限が必要になった場合
蛋白質の多い肉や魚などの主菜や牛乳などの乳製品の量は調整が必要です。また、ごは
んやパンなどの主食にも蛋白質は含まれるため、食事全体の蛋白質量を考慮する必要 があります。
③カリウムの制限が必要となった場合
カリウムは生野菜や生果物、豆類などに多く含まれます。調理法や食品選びを工夫する
必要があります。
3.指示エネルギー量が変化する。
2で紹介したように制限が増えてきますが、主食や主菜を減らすだけでは摂取するエネル
ギー量が減ってしまいます。しかし、腎臓の機能を保つためには糖尿病食の時に制限して
いた状況とは異なり、エネルギーを付加していく必要も出てきます。その場合にはどれく
らい、どのような食品で増やすかを考える必要があります。蛋白質で増やせない分、糖質
や脂質でカロリーアップを行うことが多いです。
※おおまかにいうと上記のような食事療法となりますが、腎臓の機能に合わせて血糖を整える食事から腎臓を守る食事に切り替わっていく過渡期の食事のため、そのときそのときで注意事項が変わってきます。糖尿病と診断されたときのままの食事を続けいることも、自己判断で極端な制限を行うこともおすすめできません。腎機能に合わせた食事療法を栄養士と一緒に行っていきましょう。
今回、大田区の糖尿病性腎症重症化予防プログラムに参加することとなりました。ご自宅に書類が届いている方は主治医にご相談のうえご参加ください。半年間、定期的に保健指導を受けることができます。腎機能の悪化を予防し、厳しい食事や生活の制限を行わなくて済むようにしてみませんか?
患者様のご家族よりお手紙を頂戴いたしました~ファミリークリニック蒲田~
こんにちは、ファミリークリニック蒲田 相談員の松村です。
先日、患者様のご家族よりお手紙を頂戴いたしました。
お手紙画像掲載のご了承をいただきました。素敵なお手紙をありがとうございます。
「自宅で一緒に穏やかに過ごすことが出来ました」とお言葉を頂き、私どもも携わることができましたことを改めて御礼申し上げます。ありがとうございます。
ファミリークリニック一同、患者様やご家族様が穏やかな生活を過ごしていただけますよう努めてまいります。
医療法人社団 双愛会
ファミリークリニック蒲田
相談員 松村
【対談ブログ】在宅医療と診療アシスタントのキャリア
本日は診療アシスタントの中川さんと理事長の伊谷野先生の対談です。
中川さんは診療アシスタントや地域の医療介護連携の業務に携わり、現在はファミリークリニック品川で院長の三原先生と日々訪問診療を行っています。またご家庭では4人のお子さんがいて、趣味の韓国ドラマ鑑賞や旅行をご家族で楽しんでいます。
・医療業界に興味はあるけど、未経験なので自分に適性があるか不安に思われている方
・子育てなどでキャリアにブランクがあるけど、一段落して新しい職場を探されている方
・在宅医療という言葉は聞いたことがあるけど、診療アシスタントがどんなことをしているか知らない方 などなど
中川さんの実体験を含めて聞いてみましたので、ぜひご一読ください(^^)
▼対談内容はこちらから
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ーーーーファミリークリニック蒲田に入職したきっかけは何ですか?
中川:
知人紹介になります。子育ては一旦は落ち着いてきたこともあり、ブランクがあっても収入を確保できる、また正社員として働ける職場を検討していたところでした。
人と接することが好きで、社会貢献性が高いと思っていた医療、介護、保育業界あたりで検討をしていました。
医療業界に携わるなら看護師の資格取得を選択肢に入れていました。ただ、学校に通うなら3年かかるーーー年齢的に大丈夫か?そもそも私に適正があるのか?など、ちょうど悩んでいる時でした。
そんな時に、地元のママ友でもある知人に当院の診療アシスタントの仕事を紹介をしていただいたんです。
「中川さんに合ってると思うのよ~」って。笑
医療業界に携わるなら資格がないと難しいと思っていたので、医療業界の資格がなくても働ける、そこで興味や適性があれば続けることもできるという点が有難く、応募しました。
ーーーーファミリークリニック蒲田で働いてみた感想はどうでしたか?
中川:
最初は不安もありましたが、働いてみたら想像以上に良かったです。
医療に携わる仕事なので表現が適切ではないかもしれませんが、仕事に行くのが楽しい、ワクワク、といった感じですね。看護師の資格を取らなくても十分やりがいを得られています。
伊谷野:
仕事に行くのが楽しい、ワクワク…良いですね~。どんなところが良かったですか?
中川:
人生の大先輩方とお話ができて、接することで色々と吸収できて嬉しいですね。お話していて楽しいです。
あとは患者さんやご家族のお役に立てていると感じられると素直に嬉しいですね。お声がけいただいたり、お手紙をいただいたりと励みになります。
先日もがん末期で日中独居状態の患者さんがいらして、病院や関係者、ご家族もご自宅にずっといらっしゃるのは難しいと判断しているケースがありました。
伊谷野:
いわゆる介護力が低い状態だったわけですね。
中川:
はい。ご本人は自宅にいたいというご希望でしたが、ご家族も訪問診療の導入時は不安になっていたと思います。
ただ、三原先生と訪問看護師さん、ヘルパーさん、薬局さんなど関係者でサポートを続けていくうちに「最期まで自宅で過ごそう」という考えに至り、そのままご自宅でお看取りさせていただきました。ご家族も関係者も含めて、1つのチームのようにみんなで喜んでいたことが印象的です。
三原先生の「自宅でのお看取りはご本人の意向とご家族の覚悟さえ決まれば大丈夫!」という方針は、関係者には心強かったのではないかと思います。
伊谷野:
まさしく”安心”をご提供できたケースですね。最初は「自宅で最期までは無理でしょ」となっていても、最期はご自宅でお看取りになるケースは年々増えていますよね。我々ももっと在宅医療のことを知っていただけるように発信していきたいですね。
中川:
はい、それ以外でも患者さんと接する数だけエピソードはありますが…。
80代女性で大動脈瘤があり、いつ破裂してもおかしくない方とのお時間は印象的でした。
手術の選択肢もありましたが、ご本人は手術は望まず在宅医療を選択されていました。最期まで自分のいたい場所で過ごしたいーーーと。訪問診療の際には「中川さん、中川さん」といつも笑顔でお話してくださいました。とてもかわいい笑顔の方です。
そこからある日、大動脈瘤が破裂し救急搬送されました。そのときも手術の選択肢もあったようですが、ご家族としては本人の意志を尊重することにしました。クリスチャンの方だったので、牧師さんに病室に来ていただいて、ご家族とともに賛美歌を歌ったそうです。そして最後の”アーメン…”という言葉とともにお亡くなりになりました。
このお話を後日聞き、患者さんの気さくなお人柄やかわいい笑顔を思い出して涙が止まりませんでした。ただ、きっとこれがご本人が望まれていたことなんだなと感じ、携われたことに感謝しています。
ーーーー素敵なエピソードですね。もっと聞きたいですが…話題を変えて診療アシスタントの役割について教えてください。診療アシスタントはどんな役割でしょうか?
中川:
一言でいうと「先生や看護師などの専門職と患者さん・ご家族をつなぐ役割」が診療アシスタントではないかな、と思います。
診療アシスタントは医療の専門資格はありません。だからこそ、患者さんやご家族に近い存在として、伝えづらかったことや聞けなかったことを補足できる立場だと思っています。
伊谷野:
まさに大事な役割ですね。
医師や看護師などの専門職種同士の会話だと医療的な会話で完結してしまうことがあります。これは思いやりがある、思いやりがないというわけではないですが、真剣になるほど医療寄りの会話に終止してしまうこともあり得ますね。
気をつけないと、患者さんやご家族を置き去りにしてしまう状態を作ってしまいます。
中川:
はい。そこで私たち診療アシスタントは患者さんやご家族の視点で情報を伝えることができると良いと思います。
伊谷野:
診療アシスタントのきめ細やかな気遣いに私自身も何度助けられたことか…本当にありがとうございます。
在宅医は医学的対応をすることだけがすべてではありません。もっと大事なのは「患者さんの希望に近づけること」です。
診療アシスタントから得られるさりげない情報により、患者さんのご希望に近づけられるように修正できています。
自分1人で情報収集するには限界がありますので、医師以外の視点で集めた診療アシスタントの情報はとても大切ですね。
診療アシスタントの役割をもうひとつ加えると「医師のタイムキーパー」ですね。
やるべき診療は優先しつつ、1日に何件か訪問をする必要があります。そのときにタイムスケジュールや訪問スケジュール、ケアマネジャーなど関係者の同席調整のサポートをしてもらえるのは非常に助かっています。
ーーーー4人の子育てと仕事の両立で工夫していることはありますか?
中川:
正直、子育てと仕事の両立は大変です。笑
ただ、職場にはお互いにフォローする雰囲気があるので助かりますね。事情がある時は快くフォローしていただけましたし、その逆もあります。
この雰囲気は伊谷野先生の方針の影響もあったからではないでしょうか。そのあたりはいかがですか?
伊谷野:
そうですね。私自身メリハリが好きなので、職員にはプライベートも大事にしてほしいと思っています。そのためには都度業務の見直しをして、時代の変化に柔軟に合わせていきたいですね。
あと私は主婦の方や子育てしている方と診療アシスタントとの相性は良いと思っています。
子育てとケアは近いものがあると感じているので、自然とうまく接している方が多いです。
中川:
私の面接のときにも同じ説明をしていただきました。たしかに近いものはあると思います。
あとは子どもたちの理解があったので仕事はしやすかったです。三女はもともと美容の仕事をしようと考えていたのですが、今は看護師になっています。
学校面接のときに、医療業界で仕事をしている母が楽しそうにしていて、そこから看護師に興味を持ったと話していて嬉しかったです。今はその看護師の娘と医療業界のちょっとしたことを話していますね。笑
中川さんの母娘ツーショット。看護学生時代の三女さんが訪問看護の見学をしたときの一枚です。
ーーーーありがとうございます。最期にメッセージをお願いいたします。
新しいことにチャレンジする雰囲気が当院にはあります。良さそうなものは取り入れてみたり、一方で初めたことに対して変には固執にせず、ときには前のやり方に戻ったりもしています。
今回は私のことを中心に話をしましたが、年齢や男女問わず ”人と接することが好き” ”チャレンジが好き” という方に診療アシスタントは向いているのではないかと思います。
診療アシスタントはほとんどの人が未経験からスタートしているので、医療業界に興味がある方はぜひ検討してみてください。
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当法人では診療アシスタントを募集しています。
お問い合わせフォームはこちらです。
ご興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせください。
よろしくお願いいたします。