月刊*ファミクリWOCかわら版_vol.1
はじめまして、2020年10月から医療法人社団 双愛会 ファミリークリニック( 蒲田 品川 多摩川)に入社しました、皮膚・排泄ケア認定看護師の 野口祥子 と申します。
皮膚・排泄ケア認定看護師とは通称WOC(ウォック)と言います。その意味は、W→Wound(ウンド)創傷、O→Ostmy(オストミー)ストーマ、C→continennce(コンチネンス)失禁です。
ですから、褥瘡をはじめ、スキン−テアなどの創傷、がんの自壊創、糖尿病性足潰瘍、瘻孔、ストーマ(人工肛門、人工膀胱)からの排泄物の漏れ、ストーマ周囲の皮膚障害、ストーマ装具の検討、下痢・便秘における排便コントロール、おむつかぶれ等の困りごとをご相談いただければ、利用者様やご家族の暮らしを第一に考慮したケア方法を一緒に検討し、改善を目指して活動します。
まずはお気軽にファミクリWOC相談フォームからお問い合わせをいただければ幸いです。
どうぞよろしくおねがいいたします。
医療法人社団 双愛会
ファミリークリニック蒲田・品川・多摩川
野口祥子(のぐちやすこ)
🍙栄養豆知識〜研修報告〜🍙
ファミリークリニック管理栄養士の青山です。
今回は『ダノン健康栄養フォーラム』に参加しました。
今回は、世界の栄養課題と新しい食事スタイルの提案というテーマで日本食の良さや蛋白質、脂質の栄養についての講演がありました。
今回は糖質制限と日本食についてのお話を紹介します。
最近は糖質制限のダイエットが話題になっています。実践している方も多いのではないでしょうか。エネルギー源の大部分を占める糖質を制限するため、短期的には減量効果が得られやすい方法です。しかし、極端な糖質制限は偏った食事になるため、長期的に行うことは良いことばかりとはいえません。糖質は摂りすぎてもよくないですが、制限しすぎても死亡率が増加するという研究結果が出ています。糖質量は50〜55%が一番長寿になるそうです。また、糖質制限を続けたマウスの研究でも、見た目の老化に加え、病気の罹患率の増加、さらには寿命の短縮といった影響があったそうです。
糖質制限についてはまだ研究途中の段階で、どれくらい、どんな種類の糖質を摂ると良いか、また人種や生活環境による影響があるかなどはっきり分かっていない部分も多いのですが、一時的なダイエットではなく長期的に続けていくことのデメリットもあると考えられます。
私は今回の講演を聴いて、痩せられたとしても、同年代の人より老けてしまう方が怖いなと思ってしまいました。
それではどのような食事が良いのでしょうか?
講演ではいろいろな年代の日本食を調査して1970年代の和食が最も老化を遅くし、寿命も長くなったという研究の紹介もありました。
70年代の食事の特徴としては、魚・果物・野菜・海藻・大豆製品・発酵系調味料・緑茶など食材の種類が豊富で、揚げ物や炒めものより煮物料理が多いといった特徴があるそうです。いろいろな食品を組み合わせて食べること、そして主食や芋類も適度にとり、食事中のエネルギーの半分は糖質で摂ることが大事なのではないでしょうか。
毎食理想的な食事は難しい!何品も手作りする時間もない!
そんな方もできるところから少しずつやってみましょう。今はコンビニでも惣菜が買える時代です。最近海藻食べてないなと思ったら、ひじきの煮物やワカメの酢の物を夕食の1品に加えてみませんか?最近肉料理ばっかりだなと思ったら、煮魚や魚の水煮缶を取り入れてみましょう。
医療法人社団 双愛会
在宅リハビリテーションセンター
管理栄養士 青山
嚥下診療 〜摂食評価と窒息予防〜
こんにちは。言語聴覚士の小杉です。
残暑もようやく落ち着き、過ごしやすい日々になってきましたね。皆様いかがお過ごしでしょうか。
季節がめぐり、少しずつ果物の種類が増えてきましたね。
さて、またここで問題です。
ぶどうとりんご、窒息に注意が必要な果物はどちらでしょうか??
①ぶどう ②りんご
正解は・・・・
①のぶどうです。
表面がツルツルしたぶどう、実は窒息しやすい果物の一つです。
ぶどうの他にも、ミニトマトやさくらんぼも実は窒息しやすい食べ物です。
奥歯が生え揃っていないお子様や、抜けてしまった高齢者は咀嚼力が弱く、噛んでいるようでも、そのまま飲み込んで窒息するリスクがあるのです。
ぶどうやミニトマト等は面倒ではありますが、1/2〜1/4に切り、よく噛む事が窒息予防につながります。
今はぶどうの品種も多くなり、皮付きのまま食べられるぶどうも増えています。皮付きのものですと、より噛む回数が増えるため、奥歯のある方は楽しめると思います。皮なしですと表面がつるつるしてきますので、召し上がっている際は近くで見守ってください。
また嚥下機能的に咀嚼が難しい場合は、ジュースで召し上がることも良いです。
りんごはアレンジしやすい果物でもあります。その方の嚥下機能に応じて、提供方法を変更出来ます。
例えば、2〜3mmに薄くスライスに切る。噛むことが難しい場合は、すりおろす。そして舌で潰せる、また簡単に噛むことが出来る場合、砂糖を少し混ぜて甘く煮てコンポートにすることも出来ます。
このように、患者さん摂食機能評価を得意とするのが、言語聴覚士であり、その機能に合った食事内容の調整を行うことを得意とするのが管理栄養士です。
これから秋になり、美味しい食べ物が増えてきます。
一人ひとりの嚥下機能に合った食形態で、季節の変化を楽しんでいただきたいです。
嚥下診療では、歯の衛生状態から咀嚼機能、唇や舌の動き等の確認を行っています。またご家族様やご本人から食事状況の確認を行っています。
食事の調整や栄養評価が必要な場合、当院管理栄養士による栄養相談も併せて行うことが出来ます。必要栄養量や摂取量の確認、食事形態のご相談や高カロリー食品のご紹介なども行えます。
食事量や摂取量についてご心配な方、嚥下機能の評価をご希望の方は、当院までご相談ください。下記の症状が当てはまる方、嚥下機能の低下のおそれがあるポイントです。
*他院の訪問診療を受けていらっしゃる方でも、単発で診療が可能です
ご判断に迷う方、経過を追って評価を希望する方など、まずはリハビリ専門医による嚥下診療にご相談ください。誤嚥性肺炎予防の一つとして、お考えいただけますと幸いです。
医療法人社団 双愛会
在宅リハビリテーションセンター
言語聴覚士 小杉
【WEBオンライン勉強会】『がんの疼痛緩和ケア 〜訪問看護におけるPCAポンプの活用〜』2020年9月16日(木) 18:30 ー 19:30
こんにちは、事務局長の清水です。
2020年9月16日(木)18:30~ファミクリ勉強会 WEBオンライン開催をご案内いたします。
Zoomを活用した勉強会になります。
お時間がございましたらぜひご参加ください。
ファミクリ勉強会 WEBオンライン
がんの疼痛緩和ケア
〜訪問看護におけるPCAポンプの活用〜
2020年9月16日(木)
18:30 ー 19:30
◆講師:
勉強会の内容
①PCAポンプ種類と特徴
講師:看護師 臨床工学技士 杉野
②PCAポンプを用いた訪問看護の 事例紹介
講師:在宅緩和ケアセンター 看護師 神林
コントロールが難しいがんによる痛みではPCA(Patient Controlled Analgesia:自己調節鎮痛法)ポンプと呼ばれる機械を用いて、モルヒネ系薬剤を投与する方法が有効です。
PCAポンプの構造と使用方法、訪問看護の事例を通して利点や注意点についてお話します。
*WEBオンライン地域勉強会には事前申し込みが必要です。参加方法は記載のメールアドレスにご連絡いたします
WEBオンラインの進め方に不安がある方は、当院の職員からできる限りのサポートをさせていただきます
ぜひこの機会にご参加ください。
*今回のご参加者は、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、ケアマネジャー、医師、在宅医療・介護連携担当者の方に限らせていただきます
【お問い合わせ】
医療法人社団 双愛会 ファミリークリニック ( 蒲田 品川 多摩川 )
事務局長 清水 雄司
電話番号:03-5480-1810
y.shimizu@twinheartmedical.com
認知症の家族支援 〜支援は患者さんご本人、ご家族、支援者の協働作業〜
こんにちは。在宅認知症センター長の坂戸美和子です。
今回は認知症患者さんのご家族を支援することについてお話をしたいと思います。
1. 家族は患者さん本人をひたすら支える人?
—いいえ、家族も患者さんに助けてもらうこともあります。
在宅で過ごしておられる患者さんのご家族は、患者さんを支える、一番大切な方々であることは間違いありません。しかし、ご家族は患者さんを一方的に支えるだけとはいえない面も実はあります。認知症の患者さんのBPSD(心理・行動的症状)は、認知症のタイプによる違いもありますが、その患者さんの過去の暮らしや出来事が、記憶の衰えとともに、まるで今起きていることのように思ってしまうことがあります。患者さんのそれまでの体験は、おそらく患者さん自身が一番よく知っておられるでしょう。けれど、それを言葉でうまく伝えることができない状態にあるのが認知症です。うまく伝えられないけれど、BPSD(心理行動的症状)の改善のヒントを患者さんご自身が、お話や行動のどこかで示してくださることがあります。
2. 支援者は、患者さん本人・家族を支える人?
—いいえ、支援者も患者さんとご家族に支えられています。
私たち自身も支援する側とされる一機関ですが、私たちはまた、支援をする一方の側にいるわけではありません。実は支援とは、支援を受ける側との共働関係がなければ決して成り立たないのです。ご家族より、ご家族が困っておられることを具体的にお聞きすること、ご家族自身が今どんな状態でいらっしゃるのかを教えていただくこと、患者さんご自身のこれまでのこと、ご家族との関係についてお話いただくこと、これらは全て、ご家族と一緒に取り組むことなしにはできないことです。こうしたことから得られたことが、BPSD(心理・行動的症状)の改善に確実に繋がっていきます。
3. 支援者と支援を受けられる側との関係は常に協働関係
患者さん・ご家族・支援者は、互いが協働関係にあります。お互いが教え合うと言っても良いかもしれません。認知症の患者さんが示す症状・感情・お話の内容は、全てが大切な情報です。ご家族が感じられるお気持ち、患者さんと接しながら湧いてくる感情、患者さんとのご関係、ご家族が持っておられる患者さんのこれまで、全てが大切な情報です。そして支援者は専門家ですが、情報をいただかなくては何もできません。「認知症の患者さんのケアはこうすればいい」という決まった方法はないからです。もちろん、原則はありますが、個々の患者さん・ご家族からの教えていただく沢山のものがあって、初めて認知症支援は成立するのです。
医療法人社団 双愛会
ファミリークリニック
在宅認知症センター
坂戸 美和子
🍙 栄養の日 🍙
ファミリークリニック 管理栄養士の青山です。
今回は、『栄養の日』についてご紹介させていただきます。
8月4日は栄養の日でした。みなさまご存知でしょうか?
栄養士・管理栄養士でないとあまり意識しない日かもしれませんが、身体を作るのは日々の食事と水分です。夏休み時期でお子様たちも家で過ごすこの時期、そして、大人の方もお家時間が増えている今、栄養や衛生管理というものを意識するきっかけにしていただけらたと思います。
栄養の日
(公社)日本栄養士会では、2016年に『栄養の日(8月4日)』、『栄養週間(8月1日〜7日)』を制定しました。
日付は、一般の方にも親しみを持ってもらえるよう、8(エイト)と4(よん)の語呂合わせで『えいよう』の日となっているそうです。(笑)
栄養の日、栄養週間2020
今年は『栄養をたのしむ -「栄養のチカラ」で、感染症に負けない!-』を統一テーマに、オンラインで開催しています。
栄養週間もう終わってる!と思った方も大丈夫です。今年はオンライン開催ということで、今からでも動画やレシピなどをみることができます。
私達、栄養士・管理栄養士は食品の取り扱いや衛生管理について学び、日々の業務でそれらを実践しています。もちろん栄養士でなくても、みなさんが日々の生活の中で注意できるポイントがあります。例えば、とても基本的なことですが、手にはいろいろな細菌やウイルスが付着しています。その細菌やウイルスを食品につけないこと、口の中に入れないことが感染予防には大切で、そのために手洗いやマスクの着用、食器や器具、食品の洗浄を行います。生活の中に取り入れられる衛生管理のポイントも動画で紹介されています。基本が大事!今一度、ご自身の生活の振り返りをしてみてください。
また、栄養の日の特設サイトでは、栄養士・管理栄養士が考えたレシピも紹介されています。野菜がたくさん使われていることはもちろん、栄養価の高いレシピがたくさんあります。お家時間が長い今だからこそ、お家で身体に良い料理を食べて、暑い夏を乗り切りましょう。
気になった方はぜひ、『栄養の日』で検索してみてください。
ファミリークリニック
管理栄養士
青山
訪問診療のつれづれ 〜医師からみた訪問診療と外来診療のちがい〜
こんにちは、在宅認知症センター長の坂戸 美和子です。
認知症の患者さんに、病院に来院していただいての診療(外来診療)と、こちらから出向いての診療(訪問診療)は、患者さんやご家族にとってはどのような違いがあるものでしょうか?おそらく大きな違いがあることと思います。そして、こちら診療に出向く側にとっても、実は大きく違います。診療は、医師と患者さんとが出会う場ですが、患者さんのお家に向かう時の気持ちと、外来で患者さんをお迎えする場合とではやはり異なることも多くあります。
1患者さんの自宅は患者さんのホームグラウンド
ある日、初診の患者さんのお宅を訪問した時のことです。訪問するとまずご家族がおられるリビングに案内されました。最初の出会いは、人間関係においてとても重要です。初対面がうまくいかなければ、その関係はずっと続いてしまうことが多いからです。逆に、初対面の最後に、お互いが笑顔で終えられれば、まずは信頼をいただくことができた、と胸をなでおろします。患者さんにとっての“ホームグラウンド”とも言えるご自宅であるからこそ、患者さんやご家族は、ご自分のお気持ちを素直に表していただける、病院の外来と違う、訪問診療という場の大きなメリットの一つはここにあると言えます。
2患者さんとご家族との関係性が見える
その患者さんの主たる支えとなってくださる方をキーパーソンと呼びます。私たちを出迎えてくださるご家族も、初めてお会いする時は、私たちと同じように緊張しながらも、これからどんな相手と連れ添って行くのか、期待もしていただきながら待っていただいているのだと思います。どの患者さんもそうですが、認知症の患者さんの場合は特に、ご家族とどのような関係でいらっしゃるのかは、とても大きな意味を持ちます。例えば、BPSD(行動・心理的症状)が出現している場合などは、ご家族がどのように受け止めてくださっているのかはその後の治療に大きく影響してきます。
3患者さんの環境が見える
患者さんの行動・心理的症状(BPSD)に影響を与えるのは、ご家族とのことばかりではありません。例えば、患者さんがおられる場所が、2階で、患者さんはご家族の様子がわかりづらく、疑心暗鬼になっていることがわかった事例があります。家族の様子がわからないことで、不安になり、それが物事を悪い方向に受け止め、妄想を形成するきっかけとなることもあります。このように、患者さんが住まわれている環境を、担当医が直接知ることができることも訪問診療であるからこそ可能となってくるものです。
在宅認知症センター長
坂戸美和子
対談ブログ~認知症と在宅医療 医師 坂戸 × 理事長 伊谷野~
こんにちは、事務局長の清水です。
本日は当法人の在宅認知症センター長の坂戸先生、理事長の伊谷野先生と対談形式で進めさせていただきます。
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認知症。これからも続く地域課題
ーーーー坂戸先生、まずは簡単に今までどんなキャリアを歩まれていたのか教えてください
坂戸:
私は生まれも育ちも新潟市です。新潟大学卒業後精神科入局し、精神科全般、認知行動療法、思春期発達精神医学の領域で研鑽を積んできました。
児童相談所や県福祉課で女性相談所に在籍し、知的障害と身体障害の両方の相談携わる役割として県の福祉全般を担う業務に携わったこともあります。
それから柏崎市にある新潟病院で神経内科医とともに認知症患者診察を行っていました。リハビリテーションも盛んに行われていた病院です。
伊谷野:
在宅診療で認知症高齢者の数が多く、地域としても大きな課題のひとつです。
坂戸:
実際、新潟病院時代でも、認知症の方が非常に多くいらっしゃいましたね。
伊谷野:
物忘れだけじゃなく周辺症状もあり、そのご家族がすごく疲弊している。今回、在宅認知症センターを設立するに至った経緯はそこにあります。
認知症に関連して大きな問題を抱えている人が多い、その課題解決していくことがファミリークリニックの使命であると考えています。
認知症患者さんご本人を診療の中心と考える
ーーーー坂戸先生は認知症の方を見る上で普段から気をつけてる事はありますか?
坂戸:
はい。
なにより患者さんご本人を診療の中心と考えています。
そこから患者さんやご家族との距離感を考えていますね。距離感を見ながらその関係性を構築します。ご本人からお話を伺うこともありますし、ご苦労なさっているご家族の話を伺うほうを優先することもあります。患者さんごとのケースに合わせて対応をしています。
伊谷野:
坂戸先生はあくまでも患者さんを第一に考えて診療するように心がけているのですね。
私の話をさせていただくとやはり前提は患者さんが第一と考えています。ただ認知症に関してはちょっと例外とせざるをえない場合も結構あります。その患者さん本人ではなく実はご家族のケアがメインであったりする事も多いですよね。また場合によっては担当するケアマネジャーさんが課題をよく認識していてご相談を受ける事も多くあります。
認知症はその周辺症状等をゼロにする事は出来ず、その症状緩和が中心となります。その緩和の対象は本人よりむしろご家族であったり周りの人たちです。その周辺の人々が感じている困りごとを一つ一つ緩和していくのが認知症治療の基本的な考えになると考えています。
坂戸:
ご家族や周りの方々を一緒に診ていくのはおっしゃるようにとても大切なことと思います。ただその場合でも、ご本人の持つ価値観を重視しながら、考え方だったり人生観は大事にはしたいですね。
患者さんのことを知らないと対応することはできません。患者さんご本人を知らないことには、本当の意味でのご家族の困りごとも解消できないことが多いです。患者さんをリスペクトしながら、患者さんの好きなことや大切なことを知り、ご家族の真のお困りごとに向き合っていければと思っています。
伊谷野:
敬意をもって診療を行う。私も開業時から考えていて、ファミクリとしても大切にしている行動規範のひとつです。先生がこれまでご経験なさった患者さんの中で、印象深い患者さんのエピソードはありますか?
坂戸:
ある大学教授だった男性の認知症患者さんですね。
奥様がうつ状態だっていうことで奥様にもカウンセリングを行っていました。認知症の進行に伴い中核症状である記憶障害が進行するのですが、ご家族はなかなか受け入れられず感情的になってしまう。
普段はすごくダンディな方で非常に身なりもきちんとしていてお洒落なご主人でした。
奥様としてはデイサービスに行ってほしいんだけれどもご主人は「そんなに俺が邪魔なのか!」と怒ってしまい拒否していた。
伊谷野:
男性にそのタイプの方多いですね。「お歌うたってお絵描きするなんて子ども扱いするな~!」っておっしゃっている男性の患者さん多いです。特に元医師だったりとか(笑)。
社会的地位の高かった男性だとプライドもあるので、何よりも「尊厳」を大事にするのかと思われますね。
坂戸:
そうなんです。人それぞれ価値観が違うんです。
怒りっぽくて攻撃的になっている患者さんによくよく話を聞くとボケ老人扱いされた、とおっしゃっている方がいらっしゃいます。「おじいちゃん認知症だからね」って言われ、片付けられてしまっていることが怒りの原因だったんです。
対応する人間がよく話を聞かずに「また何か言ってるよ」とか「また何か始まっちゃったよ」などと言って「どうせボケてるからね」という先入観でよく話を聞いてくれないということが症状を悪化させていることがよくあります。
伊谷野:
やっぱり坂戸先生のおっしゃる通り、その人の人生観とか職歴や生活歴を基にしてその方にとって何が大事なのかということを見極めていく事がとても大事ということですね。
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対談ブログは以上になります。
認知症に関するご相談は当法人の在宅認知症センターにご相談ください。
よろしくお願いいたします。
医療法人社団 双愛会
事務局長 清水 雄司
嚥下障害 医師によるリハビリ診療
こんにちは。言語聴覚士の小杉です。
いよいよ夏本番となりました。
熱中症や脱水を予防していく時期ですが、嚥下障害の方は元々の栄養摂取量が少ない傾向にあるため、さらに注意が必要となってきます。ここで問題です。
嚥下障害がある方で、食べにくいのはどちらでしょうか。
答えは・・・
正解は①の果肉入りゼリーになります。
理由としては、食感の異なるものが入っていることにより、喉へ流れるタイミングのズレが生じやすく、むせこみや誤嚥になりやすいためです。嚥下障害の程度により、食べにくいもの、食べやすいものが変わります。歯の問題、喉の問題、飲み込むタイミングの問題、物性の問題など様々な要素が加わってきます。
さて、今回は嚥下機能に不安のある方への医師によるリハビリ診療についてのご案内です。
誤嚥性肺炎を繰り返されている方や、少しむせやすくなった、又は食事がつかえるようになった方、退院後に食形態が下がっている方からの依頼などでリハビリ診療に伺っています。
診療には、リハビリ専門医、言語聴覚士でご自宅に伺います。
リハビリ診療では、体調の確認を行い、日常生活の状況の聞き取り、実際の動作確認を行っていきます。
◯普段の姿勢はどうしているか
◯起き上がり動作はどのようにしているのか
◯口の中の状況、口や舌、喉の動きの確認
◯服薬・食事状況の確認や嚥下機能の評価をご本人やご家族様に確認しています。
そしてすぐに行える姿勢調整についてや、対応方法をお伝えしています。
診療時、医師の視点・セラピストの視点からの評価が入ることにより、姿勢の耐久性の問題になるのか、廃用性の筋力低下があるのか、又は脳梗塞などの新規病変が潜んでいるのかを確認しています。
そして必要時、医師は咳や痰が出やすくなる薬や肺炎予防の薬の処方や、覚醒が下がりやすい服薬量の調整等も行っています。そして薬の飲み方の工夫などもお伝えしています。
*他院の訪問診療を受けていらっしゃる方でも、単発で診療が可能です
ご判断に迷う方、経過を追って評価を希望する方など、まずはリハビリ専門医による嚥下診療にご相談ください。誤嚥性肺炎予防の一つとして、お考えいただけますと幸いです。
医療法人社団 双愛会
在宅リハビリテーションセンター
小杉