在宅緩和ケアチームの疼痛緩和治療について
こんにちは、看護部の杉野です。
今回は在宅緩和ケアチームの主たる治療方法でもある「麻薬の投与」について説明します。
麻薬の投与経路には、経口投与(内服薬)、直腸内投与(坐薬)、経皮投与(貼付薬)、持続皮下注射、持続静脈注射などがあります。使用する薬物の種類と効能により最適な投与経路を選択します。
ここまでは教科書的な一般論なのですが、在宅緩和ケアチームではこれに加えて様々な判断を行っています。
例えば、
・服薬管理能力が低下した患者の痛みの管理をどうするか?
・薬の準備が難しい独居患者さんのレスキュー投与(痛みが強いときの頓服)をどうするか?
患者さんの療養状況に合わせて訪問医師、訪問看護師、時には介護支援専門員(ケアマネジャー)と協議しながら最適な痛みの緩和方法を選択します。
なかでも当法人の行う麻薬の持続注射に関しては、患者さんの「使いやすさ」にこだわって、バルーンインフューザーを第一選択としています。
麻薬管理の安全性にも配慮し、提携薬局の無菌調剤室で薬剤を充填したポンプを患者さんのご自宅に配達します。
*写真はデモ用製品です。
在宅緩和ケアチームで行う痛みの管理ついては、ファミリークリニック蒲田、ファミリークリニック品川それぞれの地域連携室にお問い合わせください。
看護部 杉野
在宅医療、在宅緩和ケアにおける超音波診断装置・ポケットエコーの活用について
こんにちは、事務局長の清水です。
地域の連携先医療機関やケアマネジャーさんから在宅医療での腹水穿刺を希望していることが多くなってきたと感じていますので、改めてご案内いたします。
当院では、超音波診断装置・ポケットエコーを導入しています。
腹水が多量にたまると、おなかが張った感じがしたり、腹部が膨れてくることなどがあります。
当院では手技ができる医師が複数名在籍していることとテクノロジーの進化により、在宅医療にて腹水を抜くことが可能です。
また、通院困難な状態の患者さまに在宅緩和ケアを行っておりますので、お困りのことがあればご相談ください。
下記に改めて当院の在宅緩和ケアチームをご紹介させていただきます。
————————————————————-
このような時に在宅緩和ケアチームにご相談ください
◆がんの患者さんでご自宅に帰りたい希望がある
◆ご自宅で疼痛コントロールをしながら、外来を併用したい
◆病院で行っている緩和ケアを在宅で続けるにはどうしたらいいか相談したい
—————————————————————
お問い合わせ
ファミリークリニック蒲田
東京都大田区南蒲田2-4-19 ANTビル4F
TEL:03-5480-1810
FAX:03-5480-1823
ファミリークリニック品川
東京都品川区大井1-55-6 牧ビル201号室
TEL:03-6424-4439
FAX:03-6735-4390
患者様、ご家族様の症状緩和(身体的・心理的・社会的・スピリチュアルな苦痛の緩和)を目指してまいります。
何卒よろしくお願いいたします。
医療法人社団 双愛会
事務局長 清水 雄司
y.shimizu@twinheartmedical.com
夜間救急体制と救急救命士についてご紹介
こんにちは。経営推進部の毛塚です。
質の高い在宅医療を行う上で「24時間365日の診療体制」は患者様、ご家族様が「自宅でも過ごせる安心感」を支えるためとても大切なことの一つです。
本日は当院の「夜間救急体制」とそれを中心に担う「救急救命士」についてご紹介いたします。
———————————————————————————————————
~~夜間救急体制~~
夜間帯に患者様の元へすぐに駆け付けられるよう、医師、看護師、救急救命士の3名が緊急往診チームとして対応しております。
医師 :緊急往診
看護師:緊急電話での症状相談、緊急訪問看護
救急救命士:患者様の情報共有、診療補助
と役割分担を明確化し、より多くの患者様にスムーズに対応できるようにしてます。
~~救急救命士の役割~~
夜間対応をするスタッフは、いつも定期訪問をしているメンバーとは限りません。
そのため、患者様の情報を適切に引き継げるよう院内の情報共有がとても大切です。
当院では毎日朝・夕方にカンファレンスを実施し
緊急往診の可能性がある患者様の情報を共有してます。
日中帯 → 夜間帯 → 日中帯 → 夜間帯 → 日中帯……
と情報が循環する仕組みを構築しており、その中心を担うのが救急救命士です。
<主な仕事内容>
・カンファレンスの司会進行
・リストアップされた患者様の情報収集
・夜間出動する医師、看護師への情報共有と診療補助
・日中訪問診療の診療補助を通じた患者様の情報把握
・医療物品の管理
緊急対応のスペシャリストである救急救命士は
時間帯を問わず患者様と他の職種を繋ぐ「橋のような存在」として活躍してます。
———————————————————————————————————
今後も少しずつですが、当院の取り組みをご紹介いたします。
経営推進部
毛塚 陽佑
当院の採用情報はこちらです
【医事課】精神科訪問看護基本療養費を算定している患者様に、特別訪問看護指示書が必要となった場合について
こんにちは、医事課長の船生です。
医事課として、はじめてブログを書かせて頂きます。
早速ですが、今月の勉強会の内容を簡潔にご紹介させて頂きます。
当法人には訪問看護ステーションやみなし訪問リハビリステーションなどがあるので、今回は訪問看護等についての勉強会を行いました。
医療には詳しい医事でも、介護保険は別の分野になるので、再度、介護保険制度の流れから指示書等の記載等についての勉強をしました。
その勉強会の中で今回、間違えやすい事例を1つブログにあげてみました。
【事例】
毎月、精神科訪問看護基本療養費を算定している患者様が、11/17より褥瘡の処置の為、特別訪問看護指示書が必要となった場合の訪看指示書等やクリニックでの算定方法
【事例の患者様情報として】
★精神科訪問看護指示書 11/1~11/30 すでにクリニックより発行済
★特別訪問看護指示書にて褥瘡処置の介入が必要となった日 11/17~
【保険ルールとして】
・精神科訪問看護基本療養費と訪問看護基本療養費は同月に併算定不可 です。
・褥瘡は褥瘡評価(NPUAP分類:Ⅲ又はⅣ DESIGN分類:D3~D5)なものでないと特別訪問看護指示書の介入は不可です。
・特別訪問看護指示書は週4回以上の介入が必要です。
・精神科訪問看護指示書と訪問看護指示書及び特別訪問看護指示書は同月での併算定不可です。
【指示書について】
精神科訪問看護指示書はすでに交付済ですが、訪問看護指示書及び特別訪問看護指示書がないため、改めて精神科以外で褥瘡処置を指示した医師に 訪問看護指示書を作成して頂く必要があります。
この際、保険ルールでもあるように精神科訪問看護指示書と 訪問看護指示書の両方は算定できないので、その月の介入初日に遡って訪問看護指示書を作成して頂く必要があります。
★この場合には、訪問看護指示書の日付を11/1~記載して頂く。(11/1~11/30)
★特別訪問看護指示書(褥瘡)は11/17~11/30(14日間)分を作成して頂く。
【医療機関コストについて】
≪算定可否の組み合わせ≫
・訪問看護指示書+特別訪問看護指示書 〇
・精神科訪問看護指示書+精神科特別訪問看護指示書 〇
・精神科訪問看護指示書+特別訪問看護指示書 ✕
・精神科訪問看護指示書 + 訪問看護指示書 ✕
上記により, 当月は精神科訪看指示書での算定ではなく,褥瘡の訪看指示書+特別訪看指示書での算定となります。
★訪問看護指示書 300x1 ★特別訪問看護指示書 100x1 となります。
以上、このような間違えやすい事例などを医事課として共有し、日々職員のスキルアップを目指していきたいです。
今後も医事課が行っている勉強会のことや、様々な事柄をこのブログで発信していきたいと思っておりますので
どうぞよろしくお願いします。
医事課 課長
船生 香織
【理事長インタビュー】私の医師キャリアのスタート~ファミクリ開業までの話
こんにちは、事務局長の清水です。
今回を理事長ブログの記念すべき第1回として、医療法人社団 双愛会 理事長の伊谷野先生にインタビュー形式でブログ記事を作成していければと思います。
長続きさせていきたい企画なので、ランチなどで不定期にゆる~く始めさせてください。笑
それでは、伊谷野先生よろしくお願いいたします。
▼伊谷野先生のインタビューはこちらから
—————————————————————
ーーーー伊谷野先生、まずは医師になった最初のキャリアから教えてください
伊谷野:
懐かしいですね。笑
1998年に昭和大学医学部卒業後、昭和大学医学部第一外科学胸部心臓血管外科に所属したところからキャリアがスタートしました。
正直、ジェネラリストになるのかーーー、はたまたスペシャリストなのかーーー、非常に迷いましたが、体力のあるうちにとことん急性期医療に携わろうと考えて、外科の道を歩むことを決断しました。
ーーーー心臓血管外科はかなりハードと聞きますよね。実際はどうだったのでしょうか?
伊谷野:
はい、かなりハードでしたね。。正直、家庭を犠牲にして没頭していました。
それでもハードな分、仕事を重ねれば重ねるほど技術が上がります。
自分の成長を実感することができ、緊張感がありながらも毎日が充実していたとも言えますよ。
ただ一方で、一般外科を研鑽し、次は胸部外科を、次は心臓血管外科を、、と専門を追求していけばいくほど、年月が経過すればするほどに、次第に扱う領域が狭く絞り込まれていく。
技術を磨けば磨くほど、専門性が深堀りされていくことになります。
それは該当する病気の患者さんのためには力を発揮することができますが、自分の専門以外の病気にはどんどん関われなくなっていくことにもつながります。
「多くの人の役に立ちたいと思って医療の世界に入ったのに…」というジレンマもよぎるようになってきて、当初の考えからギャップが大きくなっていくことも感じていたんですよね。
このままスペシャリストの道を究めて突き抜けていくのか、それとも一般的な診療もこなすジェネラリストへと方向転換するのかーーー。
改めて考えた末、ジェネラリストの道を捨てきれずにメスを置くことを決断しました。
ーーーー30代前半~半ばにかけての決断ですよね?そして当時はまだまだ歴史の浅い在宅医療。結構思い切りましたよね?
伊谷野:
まー、やってみないとわかりませんからね。
2000年に介護保険制度が始まったのをきっかけに、在宅医療が注目されるようになりました。
とはいえ、それをやるクリニックは、私が開業した2005年当時、極端に少なかったです。
なぜなら、在宅医療に携わるには、基本的には病院と同じ体制、つまり365日24時間対応する必要があり、そう簡単には個人創業できないからです。
ただ、流れとしては在宅医療に向かっていくことが国の方針としても示されていました。
一般外来クリニックを始めても、結局は何らかの専門に特化しないと地域に選ばれないかもしれないーーー。
それなら、総合的医療に携わることのできる在宅医療でいこうと思ったのです。
24時間体制については、「今までの外科時代でハードな勤務を積み重ねてきたし、緊急対応も頻繁に行っていたので、自分一人でもなんとかなるかな」と、つまり今までの経験と気合いでなんとかしようとスタートを切りました。
ーーーー開業スタートはどんな感じでしたか?例えば病院勤務医時代との違いはいかがですか?
伊谷野:
在宅医療を始めて、気づいたことがありました。
それは、在宅医療には、救命救急や外科で患者さまが劇的に良くなることと引けをとらない『やりがい』があるということです。
在宅医療は、自分のした努力に対して患者さまやご家族様からの反応がダイレクトに返ってきます。
病院の外科医時代と比較して感謝の気持ちが伝わってくる数と温度感が桁違いだと感じたんです。
これは医師として、素直に嬉しいことですし、日々の診療の励みになりました。
患者さまやご家族様との距離が断然近いという点は、やはり実際にやってみないとわからないものでしたね。
ーーーーなるほど。良い話ですね~。今回はここまでにして、また色々とテーマを考えますのでインタビューさせてください。
伊谷野:
ありがとうございました。
私も話したいテーマを考えておきます。
訪問リハビリテーションについての勉強会
理学療法士の原田俊です。
11月18日にセントケア蒲田訪問介護様と「訪問リハビリテーションの役割」をテーマに合同勉強会を開催いたしました。
1月に当院に入職する予定のリハビリテーション専門医・指導医の先生と話した際に今後大切なのは、
私達はヘルパーさんを
「生活の代弁者」だと考えています。
日常生活で患者さん・利用者さんがいつもと違うことに気づくことはありませんか?
そのちょっとした違いを医療者に伝えていただけると嬉しいです。
そして、伝えていただいたことを深く調べていくのが医療側のできる役割であると思うので、私なりに考える地域連携のあり方を訪問介護さんの勉強会で伝えさせていただきました。
リハビリテーションと訪問介護の連携は国も重要事項として推進しているものの、実態はなかなかできていないのが現状です。
今回、勉強会を開催することでヘルパーさんからも日常の中でリハビリに伝えたいこと聞きたいことがあることがわかりました。
その伝えたいこと、
その後の管理者様から
『スタッフ全員から「よかった」「勉強になった」「
と嬉しいメールをいただきました。
今回のような機会で、連携をより強くし、生活につながる地域連携をとれるようになるといいと思います。
訪問リハビリテーション、
訪問リハビリテーションに興味がある方や
勉強会にて訪問リハビリテーションについての研修希望の方は、
s.harada@twinheartmedical.com
リハビリテーション課
原田 俊までご連絡ください
【勉強会報告】在宅医療クリニックの採用活動
こんにちは、事務局長の清水です。
先日、民間企業の某社にて『在宅医療クリニックの採用活動』についての勉強会講師を務めました。
人事の役割はざっくりと、採用・配置・教育・評価などが挙げられ、制度設計から実行まで多岐に渡ります。
その中でも採用活動は他の企業や医療機関と同様、当院でも重要な位置付けとして注力しており、昨年度から数えて医師だけでも10名以上の入職(来年4月予定含む)があります。
また、在宅医療の特性上、医師数の増加に伴い多職種の採用活動も必要で、色々な職種の方と関わらせていただいています。
おかげさまで現在は、土台となる総合診療科に加えて、在宅緩和ケアチームの発足や精神・認知症、リハビリテーションなど、地域に安心をご提供できる領域が増えてきました。
大前提としては採用は各々の組織で最適解を導き出すしかないものだと思いますし、ファミリークリニック自体が中長期的に見てもまだまだこれからという試行錯誤中の組織ではありますが、折角の機会なのでお伝えできることはアウトプットしていこうと今回登壇させていただいた経緯になります。
勉強会自体は試しにグループワークも取り入れまして、このメニューから満足度の高いフィードバックもいただけたので嬉しい限りです。
日頃の地域連携会に参加させていただいた内容から、このような場でも活かせてきています(^^)
▼ご参加いただいた方の感想を記載いたします。
—————————————————————
・内容はもちろんですが、特にグループワークが素晴らしく、
ワークを通じて、法人への理解が深まると同時に、自分たちの役割も整理されました。
・クリニック(法人)の強み・理念がよく理解できました。
在宅医療機関の採用活動において知るべき観点の学びにもなりました。
・医療方針や、経営方針などを理解することは、
サービスを提供する上で雲泥の差がでると思ったので良い機会でした。
・実際、医療機関がどのような思いで日々の診療に取り組んでいるかは、電話・メールだけではどうしても計り知れません。
今回の勉強会を通じて、まるで自分が医療従事者のような気持ちになるくらいのインパクトがありました。
・とても楽しくもあり、情報も多く学びの多い時間となりました!ありがとうございました。
・在宅医療の現状と採用担当者側の本音を聞ける良い機会になったと思います。
—————————————————————
また機会があれば、このような取組みにもチャレンジしていければと思います。
▼当院の採用活動にご興味のある方は下記にご連絡ください。
医療法人社団 双愛会
事務局長 清水 雄司
y.shimizu@twinheartmedical.com
当院のスタッフ紹介はこちらです
当院の採用情報はこちらです
患者様のご家族からお手紙をいただきました~ファミリークリニック品川~
こんにちは、ファミリークリニック品川の地域連携室 中川です。
ファミリークリニック品川は昨年6月に開院し、ようやく1年半を迎えようとしています。
大田区とは行政との関わり方なども微妙に異なり試行錯誤の1年半でしたが
病院やケアマネジャーさんからのご紹介に支えられ順調に患者様も増えてまいりました。
ありがとうございます!!
地域的に昭和大学病院やがん研有明病院からのご紹介も多く
医療依存度の高い患者さんが多い印象があります。
本日は先月ご逝去された患者様のご家族からのお手紙をご紹介させていただきます。
お手紙画像掲載のご了承をいただきました。素敵なお手紙をありがとうございます。
今後も患者様ご本人やご家族様が安心して自宅で過ごす事が出来るようお手伝いをさせていただきたいと思っております。
これからもファミリークリニック品川をよろしくお願いいたします!
ファミリークリニック品川
地域連携室
中川 美弥子
🍙栄養豆知識〜『日本CKDチーム医療研究会』研修報告〜🍙
こんにちは、ファミリークリニックの管理栄養士 青山です。
管理栄養士は免許がとれたら大丈夫ということではなく、日々勉強!
私が勉強会に参加し、学んだことやびっくりしたこと、面白かったことなどご紹介したいと思います。
今回は『日本CKDチーム医療研究会』に参加してきました。
慢性腎臓病(CKD)の方に多職種(チーム)で関わった症例報告や、最新の治療や研究の状況の報告などがありました。
腎臓が悪くなると他の臓器や器官にも影響が出て、他の病気にも影響がでます。
腎臓機能の悪化を防ぎ、透析導入を減らすことが課題です。
食事療法で食事や栄養面からポートしていくこと、他の専門職と協力していくことの重要性を改めて感じました。
治療や病態の事や研究報告など多くのことを学ぶいい機会になりましたが、その中でも驚いたのは、腎障害と認知症の関連です。
『eGFRが10下がると認知症のリスクが10%上がる!』そうです。
また、ラットの実験ですが、塩分摂取量を多くしたラットは腎機能が低下し、認知症にもなったとのこと・・・。
減塩をすることが腎臓を守るだけでなく認知症の予防にもつながる可能性があるとは驚きました。
また、CKDチームの取り組みの報告の中で、看護師と管理栄養士が生活・食事に関連した同時指導を行った例ではリピート率がとても高いという話もありました。
チームで関わることで患者様の満足度もあがり、治療を継続しやすくなるのでしょう。
病院の中だけではなく、地域でもチームで患者様の治療に取り組んでいけたらと思っています。
管理栄養士
青山 祐子
【訪問リハ】リンパ浮腫治療講習会ブラッシュアップセミナーに参加しました。
こんにちは。作業療法士の吉田優子です。
11月9日(土)に東京医療専門学校にて【リンパ浮腫治療講習会ブラッシュアップセミナー】講習に参加しました。
専門学校の系列であるベテル南新宿診療所で実際にリンパ浮腫の治療にあたっているセラピストより、
①高齢者の訪問でのリンパ浮腫治療の実際
②終末期浮腫のむくみケア
③通院治療の実際
④症例検討
について講義を受けました。
高齢者の特に下肢に対するリンパ浮腫は、単純にリンパ浮腫だけではなく、
リンパ浮腫+廃用性浮腫
リンパ浮腫+静脈性浮腫
リンパ浮腫+廃用性浮腫+静脈性浮腫といろいろな浮腫が混在しているのが特徴です。
訪問の現場というのは私も常に痛感していますが、物品がたくさんあるわけではないので、少ない材料でいかに適切な圧迫圧と適切な運動を24時間、365日継続することができるかどうかが要になってくるとのことでした。
「障害高齢者の日常生活自立度判定基準」に当てはめて弾性ストッキングや包帯、運動療法を選択していくとわかりやすく、また、キーパーソン不在の環境下でお一人で弾性包帯やストッキングを利用する際に介護に携わる他職種と連携をどのようにとるべきか先生の経験談をお聞きすることができ、大変参考になりました。
在宅でのリンパ浮腫治療の成功の鍵は、
・家族と介護者の協力
・無理のない治療計画
・シームレスかつスムースな連携
だそうです。
これはリンパ浮腫の治療に限ったことではなく、訪問リハビリの現場では他のどの方にも必要不可欠なことだと思います。
まだまだリンパ浮腫の治療自体、治療者も患者さんも知識に乏しい分野で理解が得られにくい部分がありますが、私自身も一人でも多くの方に、リンパ浮腫とうまく付き合って生活をしていく方法を発信できるようになれたらと思いました。
リハビリ 作業療法士 吉田優子