~褥瘡の治療・予防に有効な処方可能な栄養剤について~月刊*ファミクリWOCかわら版1月号_vol.27
WOC(ウォック)とは、褥瘡をはじめあらゆる創傷とストーマ、失禁分野について専門性の高い看護を実践できる看護師の通称です
2023年1月(Vol.27)
新年あけましておめでとうございます 🐰 どうぞ2023年もよろしくお願いいたします 🐇
うさぎ年ですので、ピョンピョンはねて新しいことに挑戦したり、スキルアップしていきましょう !!
褥瘡ケアを頑張っているのになかなか良くならない褥瘡はありませんか?
*たっぷり(500ml以上)の微温湯で洗浄しているのに良くならない
*創面や創内のぬめりを取るまで洗っているのに良くならない
*適切な外用薬や被覆材を使用しているのに良くならない
*適切なエアーマットを使用しているのに良くならない
「あるある」と思ったら、栄養状態の低下がカギを握っているかもしれません!
褥瘡の予防・改善にはどんな栄養が必要ですか?〈経口編〉
ガイドラインでは「褥瘡の治療に高エネルギー・高たんぱく質の栄養補給を提案する」とあります。在宅では普段の食事に手軽にプラスできるよう、処方可能な栄養剤について理解し、患者さんや家族、医師に提案していきましょう。また胃瘻の方向けの製剤や疾患に合わせた製剤もいくつかあるので、またご紹介しますね。
ファミクリ栄養士「青山さん」にアドバイスをもらい、経口から摂る栄養剤の一覧を作成しました!
【処方で出せる経口から摂る栄養剤の一覧表】
エンシュアリキッド・エンシュアH、ラコールしか知らなかったという方、多いのではないでしょうか?
味の好みもありますが、より少ない容量でカロリーもたんぱく質も摂れると良いですね !!
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~冬の脱水は訪問看護師さんの腕にかかってます!~月刊*ファミクリWOCかわら版12月号_vol.26
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2022年12月(Vol.26)
12月に入り、更に日没が早くなったような気がします。暗くなると視界が悪くなるため、自転車やバイク等の移動の際は事故や怪我に十分注意してくださいね 🏍
また寒い夜にはお気に入りの入浴剤を湯に入れて、ゆっくり温まり、1日の疲れを癒しましょう ♨
⛄ 冬の脱水に注意 ⛄
訪問看護師が訪問先の患者宅で「乾燥している」と感じるのは、どんな時でしょう。
*室内が暖かすぎる、加湿をしていない
*皮膚が粉を吹いたようになっている
*口腔内がカピカピになって舌苔がはり付いている
*水分を摂りたがらない、思うように摂れない
*尿量がいつもより少ない
*便秘/下痢になっている
「あるある」と思ったら、訪問時にひとつずつ支援しましょう!
⛄ 冬の脱水予防は訪問看護師の腕にかかっています ⛄
*室温は好みや習慣があるので、湿度を調整しましょう。部屋の中に洗濯物を干すことや図のように
タオルの裾を水を張った洗面器につけて、時間をかけて水分を吸い上げるようにして加湿します。
*皮膚の乾燥には保湿剤を塗布しましょう。清拭や入浴後のタイミングが一番良いのですが、
それに限らずマッサージも兼ねて塗布しましょう。保湿剤入りの入浴剤もおすすめです。
*口腔内の乾燥には、水に湿らせたガーゼを舌の上に置いてパックします。しばらく置いて、
舌苔がふやけたら、口腔用スポンジなどで取り除いてあげましょう。
*水分を摂りたがらない時は、少量ずつで良いので無理をせず、みかん等の水分の多い
果物を摂ることや、ポカリスウェット等をお湯で割って飲むように勧めてみましょう。
ゼリー飲料を手元に置いておくことも良いでしょう。
*便秘や下痢の時は水分摂取が必要です。便秘時は温タオルで温め+マッサージを行ったり、
発酵食品やヨーグルト等を摂るように促しましょう。
「在宅に特化したWOC活動がしたい!」と決心して東京に来て3 度目の年末を迎えます。患者さんとご家族、関係事業所の方々、ファミリークリニックの同僚の皆さんのおかげで、一日一日を笑顔で元気に過ごすことができております。
本当にありがとうございます。2023年もどうぞよろしくお願いいたします _(._.)_
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~訪問看護での褥瘡予防に有用なドレッシング材といえば・・・!~月刊*ファミクリWOCかわら版11月号_vol.25
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2022年11月(Vol.25)
秋ですね~!自転車での訪問途中に色づいた葉っぱをみると、紅葉狩りに出かけたいなと思います。
今回は「褥瘡予防・管理ガイドライン第5版」からのトピックスです!
褥瘡の発生予防にドレッシング材の使用は有用か?
褥瘡予防に日頃からのスキンケアが重要なのは皆さん既に知っていると思います。私たちが関わる患者さんは年齢や疾病、環境により皮膚の乾燥 ( 以下ドライスキン )をきたしている方が多く、ドライスキンは水分の保持能とバリア機能の劣えがあるため、保湿剤で補う必要があります。しかし保湿剤で補っていても骨突出部はクッションの役割をする皮下脂肪がないため、ずれや摩擦などの外力から皮膚を守ることができません。そういった場合に皮膚の上に貼って皮膚の代わりにずれてくれるドレッシング材がとても重要です。
褥瘡予防・管理ガイドライン第5版での推奨度の変化
以前はポリウレタンフィルムの方が推奨度が高かったのですが、今回はシリコーンフォームドレッシングの方が褥瘡予防に有用と推奨されています。どういった違いがあるのか特徴を見ていきましょう。
第5版推奨度:シリコーンフォームドレッシング1B→ポリウレタンフォーム2C
ポリウレタンフィルムは訪問看護師のバッグに常備されていることが多いので、現場で骨突出が著明な患者さんには取り合えず貼付してくることが多いですよね。シリコーンフォームドレッシングが良いのはわかりますが、入手困難、高価という点がネックですね (´;ω;`)
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患者様のご家族よりお手紙を頂戴いたしました~ファミリークリニック蒲田
こんにちは。
先日患者様のご家族よりお手紙を頂戴いたしました。
お手紙画像掲載のご了承をいただきました。素敵なお手紙をありがとうございます。
奥様の望まれていたご自宅で過ごすことが出来たと伺い、私どもも携わることができましたことを改めて御礼申し上げます。ありがとうございます。
ファミリークリニック一同、患者様やご家族様が穏やかな生活を過ごしていただけますよう努めてまいります。
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~地域で学ぶ褥瘡予防 勉強会のお知らせ~月刊*ファミクリWOCかわら版10月号_vol.24
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2022年10月(Vol.24)
自転車で訪問していると金木犀の香りがふわ~っとしてきて癒されます。
今月は11月8日に開催します研修会のご案内です。
訪問看護師、施設看護師、病院連携室の看護師、在宅に興味のある看護師の方々、ケアマネジャー、介護士、セラピストの皆様のご参加をお待ちしています!
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~エアマットレスは寝てみないとわからない!~月刊*ファミクリWOCかわら版9月号_vol.23
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2022年9月(Vol.23)
日中は暑いこともありますが、朝晩は肌寒くなり、秋の気配を感じますね 🌕🐇
8月の下旬に3年ぶりに現地開催されました「第24回日本褥瘡学会学術集会」に参加してきましたので、ご報告します。
エアマットレスは寝てみないとわからない!
褥瘡学会学術集会では「褥瘡マネジメントの未来ー新たな価値の想像ー」をテーマに講演・シンポジウム・パネルディスカッションなど大変学びの深い2日間を経験することができました。そして企業展示では実際にエアマットに横になり、寝心地を体験することができました。下記の2つのエアマットに関してレポートします。
エアマットに関してはWOCかわら版3月号で表を作成してお伝えしましたが、一部誤りもありましたので、またの機会に新規作成します。しかしどんな高機能のエアマットを使用しても、分厚いシーツを敷いたり、防水シーツを足していると効果が半減しますので、シーツは薄めのものを1枚敷くことを厳守しましょう。
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~IADを予防しよう/ハイコスト編~月刊*ファミクリWOCかわら版8月号_vol.22
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2022年8月(Vol.22)
毎日大変な暑さですが、皆さまいかがお過ごしですか?訪問途中に熱中症になりそうな時は、クーリッシュ片手に自転車を漕いでいます(マネしないようにお願いします) 🌞 皆さまもご自愛くださいね 😊
IADはおむつ内の排せつ物の付着によって起こる浸軟とバリア機能の低下が大きな原因です。
すなわち皮膚の浸軟を起こさないよう撥水とバリア機能を高めるスキンケアを行う必要があります。
今回はお金をかけて手間を省き、抜群の効果を狙います。
スキンケアの基本は洗浄、保湿、保護ですが、IADの場合は排せつ物から皮膚を守る「保護」が重要です。 保護:排泄物が皮膚に付着するのを防ぐために撥水性皮膚保護剤(図)を使用します。
商品によって、剤型は様々です。1日1回で良いタイプや手に取って塗布なのか、スプレーするのかなど、 自宅で介護を行う方にとって使いやすそうなものを選ぶと良いと思います。
商品説明は私見も入っておりますので、あくまでも参考にして下さいね!
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~IADの予防ケア/ローコスト編~月刊*ファミクリWOCかわら版7月号_vol.21
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2022年7月(Vol.21)
暑い暑い夏がやってきました!今年の夏は猛暑と節電と感染予防を同時に行っていかなければならない過酷な夏ですね。利用者さんや看護・介護を行う皆さまも涼しく過ごせるよう、知恵を出し合いましょう 🌴
介護用のスキンケア用品はお金をかければ高品質のものが手に入る時代ですが、私たち介護・看護に関わる者はお金がかかることに関して、患者さんや家族にお願いすることを得意としていません。
ローコストで失禁ケアを行うには、その分手間がかかりますし、手間やマンパワーが不足する時にはコストがかかります。大切なのは、IAD(失禁関連皮膚炎)を起こさないよう予防することです。
IADが発生してからの患者さんや家族の苦痛や医療費の負担を考慮すると、多少コストがかかっても確実に予防することが重要です。
IADを予防しよう(ローコスト編)
IADはおむつ内の排せつ物の付着によって起こる浸軟とバリア機能の低下が大きな原因です。
すなわち皮膚の浸軟を起こさないよう撥水とバリア機能を高めるスキンケアを行う必要があります。
スキンケアの基本は洗浄、保湿、保護ですが、IADの場合は排せつ物から皮膚を守る「保護」が重要です。
処方箋で出せる保護剤はありませんが、保湿剤をダブル使い(重ね塗り)することで、ある程度保護効果を発揮しますので参考にしてください。
IADのケアでは清潔ケアのあと、モイスチャライザー製剤とエモリエント製剤で撥水とバリア機能の保持を行うことがわかりましたね!
次回はIAD予防のハイコスト編をお送りします!
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~IADの機序について~月刊*ファミクリWOCかわら版6月号_vol.20
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2022年6月(Vol.20)
東京も梅雨入りしましたね。草花は雨に濡れてもきれいだと感じることがありますが、自転車で移動する私たちにとってはカッパ着脱に時間がかかり、うっとおしくなりますね(´;ω;`) 今回はIADの機序についてお話します!
IAD(失禁関連皮膚炎)は同時多発的皮膚障害かも
失禁によって排せつ物が皮膚に長時間付着すると尿や便の水分によって角質細胞が膨潤し、皮膚の浸軟が起こります。浸軟した皮膚に尿や便が浸透することで刺激を受けた角化細胞は各種サイトカインを放出し、炎症反応を引き起こします。そこで皮膚の炎症として、発赤、びらん、潰瘍の症状が現れるのです。
これをIAD(Inconttinence-AssociatedDermatitis:失禁関連皮膚炎)と言います。
”単なるおむつかぶれでしょ?”と言っていたのはひと昔前で、IADの研究で様々なことがわかってきました。
排せつ物の付着によって皮膚の発赤が見られた時にはすでに消化酵素や細菌が皮膚真皮に侵入、損傷が起きていることが動物実験で確認されたのです。
この写真の状態のように発赤であっても図1のように皮膚の表面と内側の2重に傷害を受けているため、外観から観る以上に組織損傷が進んでいるのです。
(図1)
IAD(失禁関連皮膚炎)とは?ベストプラクティスを活用しよう!|コラム|花王プロフェッショナル 業務改善ナビ【介護施設】 (kao.com)より引用
発赤の時点ではもう遅いってこと?
予防が大事なのね!
予防するにはどうしたらいいのかな?
IADのケアについては、次回お話ししますね!
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~訪問中によく観る失禁ケアについて~月刊*ファミクリWOCかわら版5月号_vol.19
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2022年5月(Vol.19)
新緑の季節到来ですね!過ごしやすくなりましたが紫外線の最も強い時期ですので、UVケアには力を入れましょう。新緑のパワーを吸収して無理なくいきましょうね 😊 今回は訪問中によく観る失禁ケアについてお話します。
1.おむつの中の環境を考えてみましょう
(図1)
(図1) 日本衛生材料工業連合会:衛生関連製品・紙おむつについてhttps://www.jhpia.or.jp/product/diaper/data/structure.html 一部改変
WOCの勉強を行う中で、おむつの中は「高温多湿」とよく教えられてきました。しかし経験を積む中で、おむつの進化や患者さんの皮膚を見ていると単なる高温多湿ではないのだと感じています。
なぜなら、訪問時におむつ交換を行うと患者さんの皮膚は高温ではなくむしろ低温であり、排せつ物が付着していない時は臀部はさらっとしていることもあるのです。
2.お尻を強く拭かないこと、尿とりパッドは引き抜かないこと
図1を見てみましょう。おむつに排出された尿は「表面材」を通過し、「吸収材」で一度吸収した尿を逆戻りさせない特徴を持っていますが、坐位や臥位で重力が加わり、湿った材質のものが皮膚に接触し蒸れやすくなっています。
また、臭いのきつい感染尿や濃縮尿、便は表面材を通過できないため、その水分が皮膚に加わると角質細胞が膨潤し、細胞間の結びつきがルーズになり「浸軟(ふやけ)」が起こります。浸軟した皮膚は、臀部の拭き取りやパッドの引き抜きなどの外力ですぐに破綻し、IAD(失禁関連皮膚炎)となるのです。
病院でも在宅でも、排せつ物を取り除こうとお尻を懸命に拭いている方が多い傾向にあり、写真のように容易に皮膚が破けます。
パッドは引き抜かず、患者さんに横になってもらって取り替えましょう。
次回はIADの機序についてお話しますね!
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