ファミリークリニック 管理栄養士青山です。
3月に在宅患者訪問褥瘡管理指導を開始しますとご案内して以降、何名かの患者様に対してカンファレンスや訪問指導を行いました。今回は、改めて褥瘡改善のための栄養管理についてご紹介します。
1.十分なエネルギーを補給する
褥瘡を治すためにはたくさんのエネルギーが必要になります。
褥瘡の大きさや深さなどにもよりますが、褥瘡があるというだけで通常の1.3〜1.5倍のエネルギー量が必要になります。大盛りご飯は食べられないという少食の方は栄養補助食品などが中心となってもエネルギーの高い物を選んで取り入れましょう。また、効率よくエネルギーを増やすためには油脂類も適度に取り入れていくことが大切です。
2.蛋白質の多い食品を積極的にとる
エネルギーが十分とれていたら、今度は傷を治していくために蛋白質が必要になります。食欲があれば肉や魚、卵や大豆製品など主菜を増やしていただくことが一番効果的です。量がとれない方や嚥下機能が低下している方は豆腐や卵豆腐、茶碗蒸し、プリンやゼリー、ヨーグルト等、蛋白質豊富で食べやすい食品がおすすめです。
3.ビタミンや微量元素も重要です
傷を治す、皮膚を作っていくためには、ビタミン類や鉄や亜鉛などの微量元素も重要です。エネルギーや蛋白質があってもこれらのビタミンや微量元素がないとうまく代謝がすすまず、傷の治りも遅くなってしまいます。野菜や果物、海藻類などをたくさん食べることが大切ですが、量がとれない方はヨーグルトなど鉄分強化されている商品を選んだり、ビタミン類が強化されている野菜ジュースなどを選ぶことで効率よく取り入れることができます。
栄養指導では、上記3点について、対象となる方の嚥下状態や食事量に合わせて必要な栄養を摂るための方法を提案させていただきます。また、必要に応じて医師に栄養剤の処方を提案したり、褥瘡改善に必要な栄養素がとれる栄養補助食品の紹介も行っています。
医療法人社団 双愛会
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管理栄養士 青山