当法人における新型コロナウイルス感染症対策について
平素より格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。新型コロナウイルス感染症の影響で大きく変化する中、今後の拡大防止につながりますよう当法人の取組みをお知らせいたします。
本取組みを遵守しつつ、原則通常通りの訪問医療(訪問診療・訪問看護等)をご提供いたします。
1.密集の状態を避けるため、一部職員のテレワークや分散勤務、直行直帰勤務を行っております。
2.出勤する全ての職員対象にマスクの着用、検温と問診(感冒症状の有無)を行っております。
3.アルコール手指消毒が不足しているため、訪問先の自宅等では診察前後の手洗い場の提供をお願いします。(ペーパータオルを持参します)
4.発熱している場合、感冒症状(咳、鼻水、のどの痛みなど)がある場合は飛沫感染予防として、マスクの着用をお願いします。診察の際は部屋の換気を良くし、一定の距離を置いて診療を行います。職員との会話は必要最小限とさせて頂いております。
5.症状に応じて、手袋・ガウン・ゴーグル等を装着して診療を行います。その際に発生した医療廃棄物(ゴミ)は自治体の指示に従い自宅での処分をお願いすることがあります。
なお、新型コロナウイルス感染症の疑いがあると医師が判断した場合は、診察・検査を行うことができません。最寄りの保健所あるいは厚生労働省都道府県の電話相談センターに電話で相談し、指示を受けていただきます。
6.衛生材料(ガーゼ、アルコール綿など)の流通に障害が発生しています。当院より定期的な衛生材料の支給を受けている患者様におかれましては、欠品により支給制限等を行う可能性があります。大変ご迷惑をお掛けいたしますが、ご容赦いただきますようお願い申し上げます。
7.すでに当院のかかりつけ患者であって、新型コロナウイルスと診断された患者様、濃厚接触者となった患者様に関しては、在宅療養を継続する場合であっても当法人の全ての訪問医療(訪問診療・訪問看護等)を一時中止します。
8.当法人の職員が新型コロナウイルスと診断されるか濃厚接触者となった場合は保健所等の指示に従い訪問医療を一時中止する可能性があります。
ご理解とご協力のほど、何卒宜しくお願い致します。
言語聴覚士の仕事紹介について
こんにちは。言語聴覚士の小杉です。
今回は言語聴覚士の仕事についてをご紹介します。
言語聴覚士は英語でSpeech-Language-Hearing Therapist と言われており、STと略されています。言語聴覚士の仕事は、言語、聴覚、音声、認知、発達、高次脳機能、摂食・嚥下に関するリハビリを行うことになります。
言語聴覚士が働いている分野は大きく3箇所あります。
①病院やクリニック等のリハビリテーション分野
脳血管疾患や神経難病、癌の術後、肺炎など、罹患後のリハビリを提供する分野になります。主には、失語症や構音障害等のコミュニケーションのリハビリ、また摂食・嚥下障害等の食べるためのリハビリ、また脳血管疾患等による高次脳機能障害(注意力・記憶力・遂行機能等)のリハビリを行っています。
②聴覚分野
補聴器のフィッティングや人工内耳等の使用による、機器類の調整などを行っている。
高齢になると、耳が聞こえにくくなる難聴となるケースがあります。高音域の音が聞こえづらくなり(代表的なもので言えば体温計の通知音)、人との会話も聞こえづらくなる方もいらっしゃいます。その場合、集音器や補聴器を使用することが検討されます。
補聴器がより生活に馴染んで使うようになりためには、どの音を大きくし、どの音を小さめにするのかの調整(フィッティング)が必要になってきます。眼鏡よりも複雑な調整になるため、購入したが、うるさくて使ってないという方も時々耳にすることがあります。
分野的には耳鼻咽喉科に所属されることもあり、嚥下機能の評価を行っている場合もあると聞いたことがあります。
③小児の発達の分野
未熟児や難病による身体不自由児の言語発達に対する指導として療育や教育機関で働いています。
脳性麻痺や神経難病等により、コミュニケーション機能や嚥下面のフォローをされている事に加え、発達障害の分野でも活躍されている方がいます。
健常児でも、どもってしまう吃音(きつおん)や、特定の音がひずんでしまう構音障害など、就学前に練習をされることが多いです。言葉のリハビリを実施する目安は5歳前後と言われています。発達状況に合わせてのリハビリとなります。
子供の発達障害については、3歳児健診や就学児健診でスクリーニングされることが多いです。実際の健診会場には言語聴覚士はいませんが、その後のフォローとして紹介された先にいることが多いです。発達面に不安のある方は、保健所等で相談をいただくと、紹介していただけると思います。
さて、当院での言語聴覚士の仕事は、ご紹介をした①のリハビリテーションの分野となります。当院は訪問リハビリになりますので、介護保険、医療保険での介入となります。
病院で行っていたリハビリの継続や、進行疾患などの予防のためのリハビリとしてご活用いただけたらと思います。
また、小児に関するリハビリにつきましては、療育の先生の指導に基づき、日常的なフォローが必要な場合に介入させていただくことが出来ますので、個別にご相談下さい。
これから具体的に、どのような方が対象となってくるのか、何回かに分けてご紹介していきたいと考えております。
訪問リハビリテーションに興味のある方は
理学療法士 原田までご連絡ください
s.harada@twinheartmedical.com
【理事長インタビュー】〈もしバナゲーム〉を利用したACP研修会の開催
こんにちは、事務局長の清水です。
本日はACP(Advance Care Planning)についてお話を伺っていきたいと思います。
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伊谷野:
本日のテーマはACPについてですね。
ーーーーはい。まずはACPとは何かという点から教えてください。
伊谷野:
ACP(Advance Care Planning)とは、
将来の変化に備え、
将来の医療及びケアについて、
患者さんを主体に、
そのご家族や近しい人、医療・ケアチームが、
繰り返し話し合いを行い、
患者さんの意思決定を支援するプロセスのことを言います。
厚生労働省が「人生会議」と名称付け、2019年11月に啓発用ポスターを作製したことで話題になったことも記憶に新しいのではないでしょうか。
誰でも、いつでも、命に関わる大きな病気や怪我をする可能性があります。
そのため、自分自身で前もって考え、周囲の人たちと話し合い、本人が望む医療やケアのことを共有することが重要です。
そして、心身の状態に応じて意思は変化することがあるため、何度でも繰り返し考え、その話し合いを重ねる過程を大切にしていきましょうという取組みになります。
ーーーーなるほど、概念を理解しました。その活動のひとつとして〈もしバナゲーム〉があるということでしょうか。
伊谷野:
そうですね。
当院のACPの普及活動のひとつとして、〈もしバナゲーム〉の勉強会への参加があります。
他の医療機関が開催した会に参加させていただいたこともありましたし、当院主催で地域の医療介護事業所向けに〈もしバナゲーム〉を用いたACP勉強会の開催もしました。
そのときの参加者の職種は、看護師とケアマネジャーが多かったですね。
参加者からは「〈もしバナゲーム〉を利用する事で自らを振り返る良いきっかけになった。」「是非担当の患者さんや家族とこの〈もしバナゲーム〉を使いたい。」という嬉しい声をいただきました。
ーーーー今後の活動で考えていることを教えてください。
伊谷野:
地道ですが、まずは地域の医療・介護職を中心にACPを身近に感じ、少しでも知ってもらう事が目的ですね。
〈もしバナゲーム〉がきっかけになればと少数や複数グループの実施など、大小で勉強会を開催していきたいと思います。
地域の居宅介護事業所や訪問看護ステーションなどからも各事業所のスタッフの間でゲームを行いたいとご希望がありましたので順次開催していきたいです。
医療職・介護職スタッフの間で〈もしバナゲーム〉を利用したACPが浸透することで、いずれそのスタッフと関わりのある地域の住民の方々に広く浸透することを期待しています。
医療・介護の現場においてACPはまだあまり実施されていないと言われています。
時間的制約がありつつも、どのように実践していくかという取組みは意義があると思っています。
また当院の在宅緩和ケアセンター長である田代医師より「がん終末期の患者さんに対してACPを実施することはなかなか難しい。他の医療機関の事例も極端に少ない」という意見もありました。
在宅緩和ケアを受ける段階は、時期として遅すぎるのではないかという意見もあり、たしかにACPを行うタイミングを見極めることに課題があると思います。
ACPは大切な取組みであることに間違いはありませんので、早いタイミングで実施していくことも重要です。
そのきっかけとして〈もしバナゲーム〉はゲーム感覚で気軽に実施でき、地域社会にACPを普及させるツールとして非常に有用な手段です。
これからも終末期医療を行う上でACP(Advance Care Planning)により事前に本人の意思表示することがますます重要になってくるといえます。
患者さんの人生観や価値観、希望に沿った、将来の医療及びケアを具体化することを目標に、より良い終末期医療を実践するため〈もしバナゲーム〉を活用してACPの普及を試みていきたいと思います。
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本日のインタビューは以上です。
▼在宅緩和ケアセンターへのお問い合わせはこちら
医療法人社団 双愛会
事務局長 清水 雄司
y.shimizu@twinheartmedical.com
「緩和ケア領域で活躍する現任のMSWと対象とした緩和ケアセミナー」に参加して参りました
皆さまこんにちは。
地域連携室 相談員の小島です。
先日に行われた「緩和ケア領域で活躍する現任のMSWと対象とした緩和ケアセミナー」に参加して参りました。
MSWとは、メディカル(医療)ソーシャルワーカーと呼ばれる、いわゆる医療現場における福祉の専門職で、病気を患った患者様やそのご家族を社会福祉の立場からサポートする職種のことを言います。
今回のセミナーでは医療現場をさらに緩和ケア領域に絞り込み、私たちMSWがどのような役割を担っていくべきかを概論を学びながら見出し、更に具体的に「SMART」というソーシャルワークの質向上プログラムを使ったグループワーク行ないました。
緩和ケア目的の中には、『多面的な苦痛を予防し和らげることを通して、患者様やそのご家族のQOL(Quality of Life:生活や生命の質)を向上させること』が挙げられます。様々な苦痛がある中で特に痛みや不安に目がいきがちですが、苦痛は以下の4つに分類されます。
①身体的苦痛:痛み他、身体状況・日常生活動作の支障
②精神的苦痛:不安、苛立ち、うつ状態
③社会的苦痛:経済的な問題、仕事上の問題、家庭内の問題
④スピリチュアルな苦痛:生きる意味への問い、死への恐怖、自責の念
私たちMSWは対人援助を基本とし、社会保障や福祉の知識をもって、患者様やご家族の不安の聞き取りや社会的問題の対応、自己決定のサポートを行なうことを求められています。訪問診療という場ではなかなか患者様やご家族と直接お会い出来る機会がないため、自分はまだまだ役割を担いきれていない部分を痛感しました。
そこで「SMART」というソーシャルワークの質向上プログラムでのグループワークでは、私達MSWを知って頂くということをテーマに掲げ、訪問診療の場で働くMSWと共に考察しました。
そこでまとめたファミリークリニックでのMSWの取り組みをここに掲載させて頂きます。
まず、ファミリークリニックでは週に1回、緩和ケアチームでのカンファレンスを実施しています。そこでは医師や看護師から病状のことをはじめ、患者様やご家族からのことば、ご様子などが共有されます。その場にMSWも参加し、情報から真の想いを探り、医療面以外でご提案できることが有れば情報を共有しています。実際に介護保険申請や緩和ケア病棟のご説明などを患者様にさせて頂いたケースもあります。
またご自宅で行なわれるカンファレンスやサービス担当者会議等にも出向かせて頂き、直接お話をできる機会を作っています。
患者様を支えるのは医療職だけではありません。福祉で携わるケアマネジャー、ヘルパーなどとも情報を共有し、安心安楽にご自宅で過ごして頂けるよう、多職種で連携するための連絡調整の役割も担っています。
ファミリークリニックでは様々な職種がチームとなって対応しています。
直接私たちMSWに不安や苦痛をご相談頂くことも可能ですが、普段なかなか直接お会いしていないMSWに、自分の想いを語るということは、誰もが抵抗を感じることと思います。普段から訪問させて頂いているスタッフに想いを伝えて頂くことで、チームで共有し、対応させ頂くことも可能です。
様々な研究の中には、生存期間よりも自分らしく生きることを求めた方がQOL(生活や生命の質)が上がると言われています。
「こんなこと言ってもいいのだろうか」ということでも、まずはその想いを聞かせてください。ファミリークリニックでは患者様1人ひとりの想いに寄り添った医療の提供をチームで行なって参ります。
今回のセミナーで改めて痛感したMSWとしての役割を実践できるよう、様々な職種と協働して患者様やご家族のQOLを向上出来るお手伝いをして参りたいと強く感じました。
地域連携室 相談員
小島
対談ブログ~在宅緩和ケアセンターについて 医師 田代 × 理事長 伊谷野~
こんにちは、事務局長の清水です。
本日は対談形式で当法人の『在宅緩和ケアセンター』についてご紹介いたします。
よろしくお願いいたします。
▼対談内容はこちら
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病院と在宅医療の違い~せん妄について~
清水:
本日は『在宅緩和ケアセンター』のことを中心にお話を伺えればと思います。
田代先生は病院のPCT(Paliative Care Team:緩和ケアチーム)などを経験した後、昨年より当院にて在宅医療に携わっていますが、病院と在宅医療の違いはありましたか?
田代:
そうですねー。
まずはじめに、せん妄の患者様の違いに気が付きました。
病院時代は半数以上はせん妄との戦いだったと思います。
しかし、現在の在宅医療の患者様を比較するとせん妄の方が極端に少ないです。
入院時にはせん妄に悩んでいた患者様が、ご自宅に戻ると驚くほど落ち着いているというケースも少なくありません。
この違いについては根拠をつけられていないのですが、医療面だけではなく療養環境の変化により状態が安定するという症例もあるように思います。
伊谷野:
確かにそれはありますね。
病院でせん妄の激しかった患者さんでも退院して自宅に戻ってくると、これまでの状況が嘘だったかのようにせん妄が良くなる事が多いんです。
これまでのせん妄軽快のケースのデータをまとめて在宅緩和ケアチームで振り返り、他の事業所と事例共有することで地域の成長にもつながるかもしれませんね。
今後の取組みとしてはどのような動きが良いでしょうかね?
田代:
退院時から時系列に患者様の状態を評価していくことが良いと思います。
そのデータが集まってくれば、せん妄が強くなる前に対応ができてくるかもしれません。
人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング )について
清水:
病院の医療従事者にもお伝えしていきながら、スムーズな連携が作れていくと良いと思いました。
その他、在宅医療に携わって気づきはありましたか?
田代:
2つ目は人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング )について考える機会が増えてきました。
ACPについて、概念自体は広まってきているものの、具体的な事例はまだまだ少ない状況だと感じます。
医療介護従事者だけではく、患者様やご家族に自分自身で前もって考え、共有することのきっかけ作りをしていくことが重要だと思います。
そこで当院はパンフレットでのご案内や亀田総合病院の先生方が監修された『もしバナゲーム』といったカードゲームを活用して、色々な方法を試しているところです。
伊谷野:
いいですね!
将来的にACPの具体的な取組みが他の地域にも広まっていくような機会も作っていきたいですね。
独居の患者様と在宅医療について
田代:
最後は独居の患者様についてですね。
結論から言うと『独居ということだけを理由に在宅に帰れないことはない』と感じています。
「自宅に戻りたい。自宅で過ごしたい」というご意向があれば、独居の方でもご自宅に帰ることが可能だとわかりました。
今振り返ると私の病院時代では、独居 ≒ 在宅には帰れないという考えが私を含めて病院の医療従事者に多かったように思います。
しかし、実際に在宅医療に携わっている上で、独居の患者様は全く珍しくありません。
在宅サービスが増えてきているので、他事業所や多職種との関わりで適切なサポートができれば、十分にご自宅で療養生活を送っていただけています。
伊谷野:
独居は連携が必須ですよね。
情報共有と事例を重ねていきながら、地域で支えていけるようになりたいと強く思います。
在宅医療と病院の連携についてはどのように感じていますか?
田代:
在宅医療から入院移行になるケースについて、病院に送るべきときとそうではないときの判断についても認識が変わったかもしれません。
在宅医療でできることは想定より多く、最初にお話したせん妄のケースは安易に入院しないほうが良いこともあります。
その他、脱水時に皮下注射を使って在宅療養でも点滴が可能です。
一方で病院に送ったほうが良いケースというのもあります。
例えば、持続的な鎮静が必要な時は病院で適切な治療を受けたほうが良いでしょう。
これからの医療のカタチとして『ときどき入院、ほぼ在宅』 という言葉通りのことを体感できていると思います。
これからの在宅緩和ケアセンターの取組みで考えていること
清水:
ありがとうございます!
質問が前後してしまいますが、最後に伊谷野先生には在宅緩和ケアに力を入れている経緯を、田代先生には在宅に携わるきっかけをそれぞれ教えてください。
伊谷野:
2005年開業時から、『断らない在宅医療』という基本姿勢を続けています。
その姿勢を続けていると、近隣の医療介護関係者からは対応が難しいケースをご依頼いただくことが増えてきます。
その中でも緩和ケアの領域は年々強く求められてきました。
そうなると365日24時間対応しつづける在宅医療に対して、私1人で対応できる範囲にも限界が訪れます。
その状況を変えながら1人でも多くの患者様に安心をお届けでするためには、院内院外関わらず同じ想いを持っていただける仲間が必要になります。
1人の力より、仕組みや連携でカバーしていこうという考えに至ったのです。
今回、田代先生が加わったことにより、これまでも力を入れていた緩和ケアにより一層厚みが加わったと思います。
緩和ケアの領域は、城南地区だけではなく、日本全体の課題になっていると思います。
田代先生には、ぜひ好事例を作っていただいて勉強会や学会などで発表を行い、在宅緩和ケアの底上げに貢献していただければと思います。
また、連携先の病院や訪問看護ステーションの先生や看護師さん、ケアマネジャーさんとも事例を通じてフィードバックしあえる関係性を作っていただきたいです。
成長できる連携をぜひ実践してください。
田代:
がんばります。笑
学会発表などもできると良いですね。
これから2025年、2030年に向けて、人口動態が少子高齢化になることは間違いありません。
一方で病院ではすべての緩和ケア患者様を受け入れる財源も設備もないことが社会課題になっていきます。
在宅医療に携わろうと考えたのは、これから5年10年先のことを考えたときに、私自身が病院だけではなく在宅の緩和ケアにも携わってみたいと考えたことがきっかけです。
今はファミリークリニックに入職してみて、病院と同じように在宅でも『PCT』(Paliative Care Team:緩和ケアチーム)を作ることで患者様やご家族の穏やかな療養生活を支えることができるのではないか、と考えています。—————————————————————
対談記事は以上になります。
医師や看護師など、医療従事者の方のご見学なども可能です。
▼緩和ケアや在宅医療に関するお問い合わせはこちらにご連絡ください。
医療法人社団 双愛会
事務局長 清水 雄司
y.shimizu@twinheartmedical.com
【理事長インタビュー】~2020年の方向性を考える~
こんにちは、事務局長の清水です。
2020年もどうぞよろしくお願いいたします。
▼早速ですが、伊谷野先生のインタビューはこちらから
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ーーーーあっという間に、、気づけば1月末ですね。本日は2020年のお考えについて質問させてください。
伊谷野:
そうですね。
最近は実際に直面している困っていることを地域の在宅医療関係者に改めて聞いてみたり、意見交換したりしていました。
そうするとキーワードとしては『末期がん』『認知症』『フレイル』『独居』の患者様の在宅医療対応に難しさを感じていることがわかります。
当院としては、それぞれ今までも向き合ってきた領域になります。
『断らない在宅医療』『在宅医療の総合病院を目指す』という基本方針を掲げていますので、これまで求められてやってきたことをこれからも続けていく姿勢に変わりはありません。
その上で総合診療の厚みを持たせていきながら、これからは各領域に対して、より専門的に体制強化していくイメージです。これからの方向性をわかりやすくお伝えするために概念図を作成しました。
ーーーーなるほど。その概念図をそれぞれ分解して深堀りしていきたいところですが、まずは全体感を教えてください。
伊谷野:
安心を作る4つの柱ーーー。これは、総合診療科という土台に4つの柱(緩和ケア、リハビリ、精神・認知症、救急)があり、それらが『安心』を支えているイメージです。
順番にまずは当法人の大事な土台となる総合診療科。
開業時から、疾患を理由に断ることをしない、と決めています。それがシンプルに地域に喜んでいただけていると感じているからです。
もちろんできること/できないことはありますが、ベストを尽くす姿勢は今後も変わりません。
次に1つ目の柱である緩和ケア。
昨年『在宅緩和ケアセンター』を開設しました。
緩和医療学会認定施設として、緩和ケア認定医の田代先生を中心とした専門チームで対応しています。
またITを活用した遠隔カンファレンスを行い、院内職員や他事業所との多職種連携の形を作るべく試行錯誤をしています。
2つ目の柱はリハビリテーション。
今月よりリハビリテーション医学会専門医・指導医の高橋先生と言語聴覚士の小杉さんが入職しまして、『在宅リハビリテーションセンター』を開設しました。
ーーーーまだ1ヶ月弱ですが、在宅リハビリテーションセンターの振り返りをお願いします!
伊谷野:
高橋先生は患者様やご家族、院内院外の関係者とわかりやすく積極的にコミュニケーションをとっている印象です。
リハビリマネジメント会議では、総合診療科としての視点を持ちながらもご自宅のことや患者様の動作のことも専門的にみていきながら具体的な説明に至っています。
説明もわかりやすいので、患者様はもちろん、スタッフや関係者も安心できているのはないかと思います。
また、患者様の生活環境を起点に総合診療×リハビリテーション×栄養のお話ができるということが在宅リハビリテーションセンターの強みになっていくのではないでしょうか。
そして3つ目の柱は、精神・認知症。
これからですが、2020年4月に精神保健指定医の常勤医師が入職予定です。
地域包括支援センター・在宅介護支援センターや居宅介護支援事業所の職員さんからも相談の多い領域になっていましたので、これからも注力して取り組んでいければと思います。
4つ目の柱は、救急。
救急も今まで力を入れてきています。これからも医師・救急救命士を含めてスタッフを増員させていきながら持続可能な組織体制を構築中です。
ーーーーありがとうございます。そろそろお時間がきてしまいました。その他、これからの方向性についてメッセージがあればお願いします。
伊谷野:
成長できる連携に取り組んでいきたいという地域関係者へのお願いですね。
当法人を在宅医療の総合病院として考えていただいて、様々な診療科、職種をうまく活用し、連携していただければと思います。
当院も同じですが1人や1事業所では対応できないことはありますので、一緒に患者様に安心していただくためにどうすれば良いか?を考え、対応していきたいです。